Magazine Oi!
2017-04-27
幽霊船日和
あいつら、空を飛ぶからな
運がよければ
運がよければ
運がよければ
運がよければ、飛ぶからな

来たときと同じ世界最初の株式会社の船を操って
ジャワ島から国に帰る途中
インド洋で死にぞこなって
いや、死にぞこなわない
嵐で沈没して、全員、死ぬには死んだのだが
なかには、さいわい幽霊として生き延びたやつもいて
ついでに船も
幽霊船としてよみがえって
例のフライイング・ダッチマン
空飛ぶ幽霊船とその乗組員だぜ
運がよければ

あいつら、空を飛ぶからな
見よ、航路のかなたに黒雲が沸き立って
きょうあたり幽霊船日和
2017-04-12
ワクチン接種の歌
多めのワクチン接種して 接種して
接種して 多めのワクチン接種して
接種して
接種して
接種して
多めのワクチン また接種して
駅前で接種して コンビニで接種して 公園で接種して
いいの? そんな人前で接種して

都内で接種して 郊外の団地で接種して
どこへ行くにも 接種して
野路の玉川で接種して
高野で接種して
卯花で接種して
井出で接種して
野田で接種して
調布で接種して
それって なんだか いやらしくない?
接種 接種 接種って
それって なんだか 接しすぎてない?
もしかして それ 恋のワクチン?

多めのワクチン接種して 接種して
接種して 多めのワクチン接種して
接種して
接種して
接種して
恋のワクチン 接種して
もう大丈夫 負けないんだから
2017-04-11
楽しくやれ
楽しそう。

高円寺らしいが、その前に香港かと思った。
香港ではパジャマで夜の散歩をすると、ずいぶん前にきいたことがある。今でもそうなのか。


「呪いのグレートハンティング」
「地獄の色」
「顔のないデッサン」
「夜空に消える」
「火星高校の夜」
「怪談乳房榎茸」
「暗黒深海」
「ジグ・ザグ・ボックス」
タイトルを書き写してるだけで楽しい。楽しくやれ、おれも。

こういうことなのだから。
ふう、疲れてる
疲れてると書けない
悲しい詩も
虚無の詩でさえも
気力がなくては書けない

誰かが悲しい詩を
書いたり歌ったりしていたら
それは、そいつが
元気な証拠だ、嘘つきめ
- 悲しい詩

ゆうべはこれを聴いた。


これもやっぱりタイトルを書き写したくなる。
「隣りのインド人」
「昆虫軍」
「パンク蛹化の女」

みなさん、おれより不幸そうで、それゆえの楽しさなのかとも思う。
おれはあんまり不幸ではない。
だったら今のままがいい。あたらずさわらず、不幸でないまま生きられるならそれがしあわせていうものではないか。
浅田真央引退か。不運な後半生(まだ若いのだが)だったな。
隣りのインド人、向かいのインド人、インドから来たインド人、二階のインド人、幻の下宿人、そういえば病院で知り合った女を映画に誘って暗闇で胸をもんだ男は、あれからどうなったのか。たしか主人公のはずなのだが…

空いてるアパートがあるときいて、トレルコフスキーは賃借の交渉に出かける。
権利金の額がおりあえば貸してはもらえるらしい。
ただし、部屋が空いたのは住人の女が窓から飛び降り自殺をはかったからで、その女はまだ生きていて病院にいる。
部屋を借りたあとに女がもどってきたら面倒なことになる。
そこでトレルコフスキーは病院に様子を見にゆく。
ステラという女が見舞いに来ている。
原文の流れがおかしいのか、翻訳のせいなのか、ステラの登場が唐突。台詞があるから存在してるとわかる。そんな感じでなんかおかしい。
トレルコフスキーはステラを映画に誘って、暗がりで彼女の胸をもむ。
- 再話

批評なんかするな。やるなら再話を。
2017-03-30
小話
元退という処士がいた。
処士とは、仕官をしていない在野の人物。「仕官はしていないけれども」というニュアンスがあり、そこそこ優れた人物をいった。
その元退はすでに七十をこえた老齢というのに、口でものを食べた。
歯がないのに、口で食べるのである。
どうして口で食べるのか、周囲の者がいぶかって訊くと、
「ようやく今になって、歯が邪魔者だとわかった」
と、いっそう元気よく食べてみせた。
2017-03-29
風の又三郎
ディスクを調べていたら、こんな断片が出てきた。

武器商人が呼んでいる
誰を呼んでるの
風をだよ
小学校の学芸会で
どっどどどどうど
どっどどどどう
ガラスのマントを着せられて
風を呼んでたやつ

もしかして、これはランボー+宮沢賢治?

帰って来たのか、あいつが
武器商人になって

風の又三郎が武器商人になって帰ってくるって、ランボーを介さないと思いつきそうもない。
憶えはないが、たぶんランボーを意識していたのだろう。

ついでだから、ランボーと宮沢賢治の生涯を Wikipedia でざっとながめてみた。
するとランボーの生没は、1854年10月20日 - 1891年11月10日。
宮沢賢治は、1896年8月27日 - 1933年9月21日。
どちらも37歳と20日余りで死んでいる。だからといって、因果めいたことを言い出したら言い過ぎだが。
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