Magazine Oi!
2009-10-30
姉妹
姉と妹の
どちらに俺は肩入れしてたか
姉は十八、妹は十六
姉は背中を伸ばし
ヒールのある靴でさっさと歩き
妹はうつむいて
ヒールのない靴でとぼとぼ
姉のあとをついて行く
そんな感じで
年齢よりも幼く見える二人は
いつも職場をあとにした

「青春」とか「自由」とか
そういう言葉を使う姉妹とは思えなかったが
足手まといの妹さえいなければ
自分にもそういうものがあるのにと
姉は思っていたに違いなく
田舎から出てきて
まだ一年ちょっとだというのに
今の職場が(つまり、俺のいた会社だが)
三箇所目だと言っていた
いつも二人で同じ職場なのだと

姉に嫌われた妹は
嫌われてることが恥ずかしく
姉のあとを追う姿を
人に(つまり、俺にだが)見られると
きまり悪そうに笑うのだった
さっさと先を行く姉と
とぼとぼあとを追う妹の距離は
そんなに離れることもなく
駅のホームでは一緒だったし
乗る車両も同じだったから
アパートへ帰りつくのも
一緒だったのだろうとは思う