Magazine Oi!
2011-08-16
月の夜ざらし
       月の夜ざらし知らで着て、
       今は夜神のともをする
           ―― 長谷川四郎

夜中の真ん中あたりを
前へ行ったり後ろへ行ったり
ひらひらふわふわ
夜神にもらった夜ざらしを着て
夜の世界を飛び続けていると
月が出てから沈むまでが
あきれるくらい長いので
それとなく夜神にきいたら
夜の世界の一日は
地上の時間のひと月なのだとか
わたしのことなら
もう心配はいりません
月の夜ざらしはとても軽くて
心が軽くなると
地上の記憶も
軽くなってしまうのです