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2011-08-19
匿名の木
三代か四代前の
先祖が捨てた利根川の岸に
なんじゃもんじゃの木がある
見る人が見れば
何目何科の何の木と
すぐにも決まるのだろうが
見る人は、いまだに現れないらしく
このあいだ行ったら
かつて洪水にやられた地は
いつのまにか住宅街に変わり
家々にかこまれた一角に
その木はあって
幹に打ち付けた木片の
文字は薄れていても
「なんじゃもんじゃの木」と読めたから
今もなんじゃもんじゃ