Magazine Oi!
2012-02-23
ジキルとなく、ハイドとなく
ジキルとなく、ハイドとなく、
角灯を消して、隠れたら隠れかえす隠蔽の日々。
戸口の円柱に寄りかかる小男。
横町にもれ出す赤色チンキのにおい。
鍵穴からのぞく弁護士。
私どもはお屋敷のこちらの方であの方を、
滅多にお見かけしないのです。
ならば、閉めきった辻馬車の片隅にわたしが隠蔽したハイドは、
思いがけずほんとうにハイドだったのか。

長い不在の後、
自宅で催されたハイド氏の夕食会。
黙々として二人は階段を上り、
どちらが本人か、たがいに探りあう。

相手が隠れたらこちらも隠れかえす隠蔽の日々。
おれが隠蔽したジキルは、
思いがけずほんとうにジキルだったのか。
あるいはハイドだったのか。
そんなことも考えないわけにはいかない。

元詩 - 変態ピエロ呪い合い