Magazine Oi!
2012-11-27
時動説
博士は時間を研究している。
厳密には、時間の回転を研究している。
季節は巡るという。
巡るからには、回転軸がなければならない。
たかだか地球の四季のことだから、
その回転軸は、太陽系のどこかに描けるはずである。
この研究には普遍性がある。
地球の季節の回転軸が描ければ、理論は全ての天体に適用できる。
だが研究はいつまでたっても進まない。
糸口さえつかめない。
徒労感はある。
とんでもない難しい問題に取り組んでしまったのではないか。
他の研究者に先を越されたらという恐れもある。
いっぽうで、何か重大な勘違いをしてないかとも思う。
子供にさえ自明で、研究に値しないのではと。
眠れない夜はとうに過ぎて、
日はすでに高い。
太陽は地球のまわりを回っている。
これは天動説で記述できる。
研究の名称は「時動説」にしたいと思う。