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2014-08-06
つむじ論
ナチスによる拘束を恐れて、フロイトはウィーンからパリを経由してロンドンに渡った。
パリやロンドンでは多くの文化人が彼を迎えた。
そのなかにダリがいた。
フロイトの頭にはつむじが二つあった。一つは左巻き、もう一つは右巻き。
それを見てダリは叫んだ。
「綜合だ! 綜合だ!」
フロイトは精神分析学を創始した。つまり分析家である。自他ともに分析家であると認めていた。
だがダリはフロイトのつむじを見て、彼が綜合者であることを見てとった。分析家と称する物語作者であることを。
分析より綜合である。このときダリは創作者としての自分の生き方に確信を持った。

以上は昔読んだ本の記憶で書いた。
記憶はいいかげんで、フロイトのあたまにつむじが二つあったかどうか、それらが右巻きと左巻きであったかも不確かである。
それを見て「綜合だ!」と叫んだのがダリだったかどうかも怪しい。
中にはつむじが左巻きでも右巻きでもない人がいる。真っ直ぐなつむじである。
そういう人もたいがい反逆者である。

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