Magazine Oi!
2016-04-05
よそ者扉
〽おれはよそ者 よその者

そんな文句を調子はずれに歌いながら
よそ者がやってきて
村はずれに建てた掘っ立て小屋は
酒なら出すよ バーだから
水なら出すよ バーだから
つまみも出すよ バーだから
だけどほんとの売り物は
よそ者志願のよそ者扉 それを無料(ただ)で使ってもらおう
あんた 表扉から入ってきたお客さん
勘定を終えたら
裏口から出てみるといい
すると あら不思議
すでにあんたは 村の掟とか絆とか
すっかり忘れて 気楽でのんきな見知らぬよそ者
そういう者になりたかったら
よそ者用の裏扉から出ていってくれ

〽おれはよそ者 あんたもよそ者

よそ者とよそ者だから
どこかの何かで出会っても
たがいの顔など忘れてるだろうが
もしも憶えがあったなら
「よっ!」と軽く手なんかあげて
それでおさらば またいつか