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2016-11-17
すっからかん
考えるべきことが何もない!

今朝、寝覚めぎわに気がついて、ちょっと驚いた。
何か考えたいと思う。具体的には、詩か何かブログに書きたい。でも材料がない。ひとかけらもない。頭の中が空っぽ。晴れた秋空みたいにすっからかん。小気味いいくらいにまっさら。きっかけさえつかめない。

これが注文仕事だったらつらいだろうな。
広く知られた作家だったり、社会的地位が高かったりすると、ますますつらい。
小説家の自殺って、これか。
朝、目がさめて、何も書くことがないことに気づく。それがその朝だけでなく、もう長く続いている。なんとかごまかしてしのいできたが、いまや限界。編集者の注文にどう応じたらいいか。世間にどう説明するのか。物書き仲間に会ったら、どうあいさつするか。おれ、書くことなくてね。そんなこと言えるわけがない。せっぱつまって、盗作か。いや、まずいよ。ばれたらまずい。だったら、買うか。駆け出し以前の作家志望者の、できそこないの作品でも買って手直しするか。だけど、どうやって買う。担当の編集者に仲介してもらうのか。おれの名前は出さないでね、とか頼むのか。そのくらいなら誰にも言わずに盗んだほうがいい。ああ、酒が飲みてえ、女が欲しい。いや、だめか。死んじゃおうか。そういえば、独りじゃ死ねなくて、女を道連れに死んだやつがいたな。クズの見本みたいなものだが、いや、他人のことはどうでもいい、どうすんだよ、おれ…

文学者の自殺で、かろうじて共感をおぼえるのは江藤淳くらい。
読んだことがないから、保守思想の人だったらしいとしか知らないが、奥さんを失くしてがっくりしてたらしい。
寂しくて死んだのだろうと思う。

自分のことにもどれば、「考えるべきことが何もない」ということしか頭にない。
なんだろうな、この不快ではない空白感。