Magazine Oi!
2006-05-01
思い出
古ぼけた詩集に
こんな一節をみつけて
懐かしさのあまり

《ツェッペリンがパリを攻撃するときは、 いつもオリオンの中からやってきた》

ならば作者よ
わたしも言おう
あの懐かしい日々
わたしもパリを眺めていたのだ
地上の銃眼から
おまえが見たという黒い船
そう、夜ごとオリオンのあたりから現れて
パリを襲ったのはこのわたしだ
その悠々として兇々とした
おのれの英姿に酔いながら
積み来った焼夷弾を投げ尽くすや
南天を駆けるオリオンを追って
帰途についた暗黒のツェッペリンは
どうやら、作者よ
おまえも忘れ難いか