Magazine Oi!
2011-09-01
魂祭
わたしが見て恐れたから
小米を撒きちらして
ふたたび彼等の隔膜ができたのか
わたしどもは永いあいだ
外に出たことがありません
ですから、旦那様に差し上げて下さい
あの人がかえ、と
母は彼の死去を恐れて神仏に願を掛け
夢うつつの中に深黛色の装いを凝らし
わたしどもの沙地の上には
忙月が一人きり
ちょうどこの老屋が公売にかけられたころ
祭は鄭重を極めたのでした