秋夜
今夜も蝦蟇(がま)となって
縁側から庭を見ていると
なにやら懐かしく
わびしさ限りなし
どこにどうして
俺はいたかと思い返せば
ここにこうして、昔から
いたのだったと
土の塀にも石の庭にも
青い月の光が
笹の植え込みにも
あふれるほどにそそいで
あたりはもう
静かな湖の水の底
ゆらゆら俺も
月光に泳ぎ出そうか
縁側から庭を見ていると
なにやら懐かしく
わびしさ限りなし
どこにどうして
俺はいたかと思い返せば
ここにこうして、昔から
いたのだったと
土の塀にも石の庭にも
青い月の光が
笹の植え込みにも
あふれるほどにそそいで
あたりはもう
静かな湖の水の底
ゆらゆら俺も
月光に泳ぎ出そうか