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2006-03-19
狂牛
遠い街道を疾駆する狂牛の
蹄の音を聞いたのは
いつの夢だったか
汗ぐっしょりの
夏の夜明け
だったろうか
隣に誰が寝ていたか
おれ一人の夢だったか
誰かと二人で見たのだったか
だけど、あれは
夢なんかではなくて
遠い街道を
たしかに狂牛が
駆け抜けたのではなかったか
夢と記憶は
似たようなものだから
おれはそれを
夢と呼んでいるだけ