春夜
二階の窓から
女が腕を
空に向けて伸ばしている
恋い焦がれてます、妾(わたし)
そんな感じの白くふくよかな二本の腕
男が通りかかってドアを押す
何事もなくドアは開いて
だが、二階に上がっても
女の姿は見えず
探しあぐねて窓辺に寄れば
ああ、そうだったのか
窓の外は
今たけなわの春の夢
はね橋の下を小舟が過ぎてゆく
小舟の上で
女が腕を
空に向けて伸ばしている
女が腕を
空に向けて伸ばしている
恋い焦がれてます、妾(わたし)
そんな感じの白くふくよかな二本の腕
男が通りかかってドアを押す
何事もなくドアは開いて
だが、二階に上がっても
女の姿は見えず
探しあぐねて窓辺に寄れば
ああ、そうだったのか
窓の外は
今たけなわの春の夢
はね橋の下を小舟が過ぎてゆく
小舟の上で
女が腕を
空に向けて伸ばしている