大正調 3 「付け文」
たった一度の
文つけて
あなたはどこへいらしたの
わたしはお返事かきました
今度あなたにあえたなら
いいえ、それでははしたない
付け文かさねて
二度三度
いただいたなら
やむをえず
お返しする文かきました
文箱に入れて
また出して
読み返すたび
胸が鳴る
顔があからむ
そんな文
ひとに隠れてかきました
あなたのお文と
わたしのお返し
ふたつ並べてはずかしく
そっと重ねてなおはずかしい
思いのたけを
またしたためて
増えるはわたしの文ばかり
たった一度の
文つけて
あなたはどこへいらしたの
文つけて
あなたはどこへいらしたの
わたしはお返事かきました
今度あなたにあえたなら
いいえ、それでははしたない
付け文かさねて
二度三度
いただいたなら
やむをえず
お返しする文かきました
文箱に入れて
また出して
読み返すたび
胸が鳴る
顔があからむ
そんな文
ひとに隠れてかきました
あなたのお文と
わたしのお返し
ふたつ並べてはずかしく
そっと重ねてなおはずかしい
思いのたけを
またしたためて
増えるはわたしの文ばかり
たった一度の
文つけて
あなたはどこへいらしたの