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2011-04-30
蒼の時代
まばらな樺の
蒼い林の向こうに
蒼い草原が広がり
見れば
数人の吸血鬼が
蒼い月光を浴びながら
力無く連れだって
それでも
目ばかりは光らせ
ああ、そうか
やつらは
人類の出現を待っているのだ
ときおり
二人ずつ抱き合って
青白い犬歯を
たがいの首にあてているのは
遠い未来に備えて
生き延びるための代用食
恋でもあり
食事でもある
彼らの抱擁の
なんと不味そうなこと
だが吸血鬼たちよ
嘆くことはない
やがて人類が
地上に生まれ出ることは
すでに決まっているのだから