ハイエナの王
ハイエナの群に一頭
わたしが混じって
草原を歩いている
風が何かを運んでくる
月光に耳を立て
わたしはその何かを
聞き取ろうとする
しかし、 風が運んでくるものが
人間の声ならば
耳にとどいたところで
なんの意味もない
人間の言葉とハイエナの言葉を
仲介してくれる者など
この草原にはいないのだから
冴えわたる月光に
銀の毛並みを光らせて
わたしは美しいハイエナなのだから
だから、 とわたしは思う
ハイエナの王になろう
そう決めると
笑いだけは人間の笑いが
喉からもれて、 仲間たちを訝しめる
ハイエナの群に一頭
わたしがまぎれ込んでいる
わたしが混じって
草原を歩いている
風が何かを運んでくる
月光に耳を立て
わたしはその何かを
聞き取ろうとする
しかし、 風が運んでくるものが
人間の声ならば
耳にとどいたところで
なんの意味もない
人間の言葉とハイエナの言葉を
仲介してくれる者など
この草原にはいないのだから
冴えわたる月光に
銀の毛並みを光らせて
わたしは美しいハイエナなのだから
だから、 とわたしは思う
ハイエナの王になろう
そう決めると
笑いだけは人間の笑いが
喉からもれて、 仲間たちを訝しめる
ハイエナの群に一頭
わたしがまぎれ込んでいる