月の夜ざらし
月の夜ざらし知らで着て、
今は夜神のともをする
―― 長谷川四郎
夜中の真ん中あたりを
前へ行ったり後ろへ行ったり
ひらひらふわふわ
夜神にもらった夜ざらしを着て
夜の世界を飛び続けていると
月が出てから沈むまでが
あきれるくらい長いので
それとなく夜神にきいたら
夜の世界の一日は
地上の時間のひと月なのだとか
わたしのことなら
もう心配はいりません
月の夜ざらしはとても軽くて
心が軽くなると
地上の記憶も
軽くなってしまうのです
今は夜神のともをする
―― 長谷川四郎
夜中の真ん中あたりを
前へ行ったり後ろへ行ったり
ひらひらふわふわ
夜神にもらった夜ざらしを着て
夜の世界を飛び続けていると
月が出てから沈むまでが
あきれるくらい長いので
それとなく夜神にきいたら
夜の世界の一日は
地上の時間のひと月なのだとか
わたしのことなら
もう心配はいりません
月の夜ざらしはとても軽くて
心が軽くなると
地上の記憶も
軽くなってしまうのです