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2011-09-13
眠り姫
日が暮れたら
兵隊を繰り出すよう言いつけると
番人の娘に代わって
大きな蜘蛛と短刀の夢を見た姫は
お城のはるか下のところで
二人の女中に聞きました
あなたはあの王子様ですか
いいえ、姫様
八方から兵隊に取り巻かれたら
もう逃げることはできません
前方に待ちかまえる大きな蜘蛛
短刀をかざして追いすがる男たち
ああ、王様とお母様にいただいた可愛らしい靴も
どこかで脱げてしまったわ
でも、悲しむことはないのです
いつか、窓からさし込む月の光でその人を見ると
きっとにっこり笑われることでしょう
二人の女中が言うように
蜘蛛と短刀の夢はほんとうで
きれいなまるいお月様