クロノドラゴン
東の国インドに
トネリコという木があって
実は甘美
好んでハトが
その実をついばむ
巣もつくる
そして、そのハトを
狙うドラゴンがいて
それが幾何学の
はじまりであるという
ドラゴンは
トネリコの木が怖い
怖くて、木の影にさえ
近づけない
木の影が日の入り方へ傾くと
ドラゴンは日の出の方へ逃げ
木の影が日の出の方へ傾くと
ドラゴンは日の入り方へ逃げ
こうして一日
ドラゴンは木の影を避けながら
じりじりと日時計みたいに
トネリコの木の
まわりを回りつづけ
それでもいつかは日は沈む
時を計ること
角度を作ること
天文をうかがうこと
さまざまな学問が
このような
遠いインドのドラゴンの動きから
生まれたのだという
闇の中で、つい用心を
忘れたハトが
トネリコの木を離れると
ようやくドラゴンはハトを捕らえて
その日が終わる
トネリコという木があって
実は甘美
好んでハトが
その実をついばむ
巣もつくる
そして、そのハトを
狙うドラゴンがいて
それが幾何学の
はじまりであるという
ドラゴンは
トネリコの木が怖い
怖くて、木の影にさえ
近づけない
木の影が日の入り方へ傾くと
ドラゴンは日の出の方へ逃げ
木の影が日の出の方へ傾くと
ドラゴンは日の入り方へ逃げ
こうして一日
ドラゴンは木の影を避けながら
じりじりと日時計みたいに
トネリコの木の
まわりを回りつづけ
それでもいつかは日は沈む
時を計ること
角度を作ること
天文をうかがうこと
さまざまな学問が
このような
遠いインドのドラゴンの動きから
生まれたのだという
闇の中で、つい用心を
忘れたハトが
トネリコの木を離れると
ようやくドラゴンはハトを捕らえて
その日が終わる