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2011-12-18
磔犬
城門に犬を磔す
磔されたその犬に

生きていたときは犬で
死んだ今も犬
それとも
五臓を抜かれるその前に
唇の端を吊り上げて
両頬に
急ぎ張り付けた笑いは
おまえがかつて
浮かべたことのない類の笑いか
問え、禍無きか、凶無きか
明暁、寇無きか、訌無きか
否、問うべからず
禍殃、凶荒、外寇、内訌
有らしむべし、無かるべからず

引き裂かれた四肢を
じりじりと日に焼かれ
干上がらせつつ
祟れ
磔されたその犬
せめて呪え
城門に磔されたその犬