磔犬
城門に犬を磔す
磔されたその犬に
生きていたときは犬で
死んだ今も犬
それとも
五臓を抜かれるその前に
唇の端を吊り上げて
両頬に
急ぎ張り付けた笑いは
おまえがかつて
浮かべたことのない類の笑いか
問え、禍無きか、凶無きか
明暁、寇無きか、訌無きか
否、問うべからず
禍殃、凶荒、外寇、内訌
有らしむべし、無かるべからず
引き裂かれた四肢を
じりじりと日に焼かれ
干上がらせつつ
祟れ
磔されたその犬
せめて呪え
城門に磔されたその犬
磔されたその犬に
生きていたときは犬で
死んだ今も犬
それとも
五臓を抜かれるその前に
唇の端を吊り上げて
両頬に
急ぎ張り付けた笑いは
おまえがかつて
浮かべたことのない類の笑いか
問え、禍無きか、凶無きか
明暁、寇無きか、訌無きか
否、問うべからず
禍殃、凶荒、外寇、内訌
有らしむべし、無かるべからず
引き裂かれた四肢を
じりじりと日に焼かれ
干上がらせつつ
祟れ
磔されたその犬
せめて呪え
城門に磔されたその犬