悪い仲間
機械仕掛けのトルコ人は、見かけは機械だが中に人間が隠れていて、そいつの考えでチェスをやる。
外側のおれは、腹中の異物にあやつられている。
中のおれは、狭くて居心地が悪い。詐欺に加担してる罪悪感もある。
外のおれも中のおれも、偽者感が捨てられない。
なんとか統一できないか。
統一できれば、偽者感も薄れるだろうに。
許可を得るのはめんどうくさい。
なぜ許可を得たいかを説明しなければならない。
自分が許可にあたいする人物であることも言わなければならない。
自分のしたいことをするのに、どうして許可がいるのだ。
だんだん腹が立ってくる。
泥棒の気持がわかる気がする。
許可を得るのがめんどうだから、黙って持ってゆく。
人形劇団をつくって、パイレーツ・オブ・カリビアンみたいな布で頭をつつんで、黒い眼帯をして、海賊になる。
悪い仲間。
- The Gang, Windsor, 1976 by Rennie Ellis
泣きたくなるような一枚。こういうのを見ると、写真ていいものだなと思う。
こんな感じでこんなメンバーが、たまたまそこに集まっていたなんてことは、誰の記憶にも残らない。人生のとるにたりない一瞬。でも写真が残っていたら思い出せる。青春してたんだよな。楽しかったよな。みんな少しずつつらかったけど。