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2012-05-23
かごめかごめ
温泉旅館のステージみたいなところに、無色っぽいスーツの女と赤いスーツの女と私がいる。
女は二人ともすごく太っている。
無色のスーツの女は私の知り合いだが、赤いスーツの女は知り合いではない。
無色の女が赤色の女をステージから突き落とす。
赤色の首がねじ曲がって死んでしまったようなので、私は安心する。
ところが赤色はすぐ息を吹き返す。
無色と私の二人で、赤色をなだめながら楽曲を完成させる。
私としてもひさしぶりの曲の完成である。多少の達成感とともに出来上がったカセットをデッキに収めたところで、「しまった」と思う。これでは指紋がべたべたではないか。
よその犯罪現場に残してきた指紋とカセットの指紋を照合されたらまずい。

どうして俺はこうなのか。なぜやってもいない犯罪の夢を見るのか――と、これも夢のなかで思う。
自分の置かれた状況が、かごめかごめに似ている気がする。
そんな気がした理由はわからない。
うしろの正面だ〜れ、と歌って夢を切り上げる。