考えのかけら
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漢和辞典で「客」を引いたら、客という意味だった。
当然である。何を考えていたのか、おれは。
アウトサイダーとかインサイダーとか考えていた。
アウトサイダーを日本語で言うと、よそ者か。部外者とも言えそう。来訪者とも。だったら客か。
とすれば、客にはアウトサイダーという意味があるにちがいない。
そう思って辞書を引いた。
すると、客の意味は客だった。そりゃそうだ。
客とはアウトサイダーである。だから辞書を引くと、客とは客であると書いてある。つまり、客とはアウトサイダーである。って、自分でも何を言ってるのかよくわからないが、空回りとはちょっとちがうと思った。
思考以前の運動みたいなもの。
自転するトートロジーというでも言うか。
そこに何らかのエネルギーが加わると、トートロジーは消滅するか、あるいは、思考、言葉、暴力などに変わる。
「トートロジーの破れ」とか、物理学の用語として使えないか。
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