現実社会と小説社会の人間関係
『大菩薩峠』の人間関係を図示しようとして、役に立たないグラフを作ってしまった。
- 小説中の人物相関に関するトリビアルな発見
ならば、全体を通した関係図のかわりに巻ごとの関係図を作ったらどうか。
ということで作ってみた。
第1巻「甲源一刀流の巻」の人間関係。
これはわりに良い図ができたと思う。
主人公・机竜之助をめぐる人間関係が基本的に現れているのではないか。
竜之助とお浜のあいだにはすでに子(郁太郎)ができている。
島田虎之助、近藤勇、芹沢鴨といった人物との関係も生まれている。
作者はこの第1巻で、手持ちのカードをすべて提示したのではないか(その後の進行は当初の作者の構想を超えてしまったにしても)。そんなことをうかがわせる図になっている。
しかし、次の第2巻になるともういけない。
第2巻「鈴鹿山の巻」の人間関係。
これでは人間関係を抽出したことにはならない。上のリンク先記事で書いたことだが、小説の世界は現実世界にくらべて狭く、人間関係が密接につながっている。直接の交渉はなくても、一人あいだに挟むくらいで全ての人物がつながってしまうのが小説の世界だろう。小説の人間関係を見るには、交渉の有無だけでなく関係の濃淡や人物の役割も知る必要がある。
- 小説中の人物相関に関するトリビアルな発見
ならば、全体を通した関係図のかわりに巻ごとの関係図を作ったらどうか。
ということで作ってみた。
第1巻「甲源一刀流の巻」の人間関係。
これはわりに良い図ができたと思う。
主人公・机竜之助をめぐる人間関係が基本的に現れているのではないか。
竜之助とお浜のあいだにはすでに子(郁太郎)ができている。
島田虎之助、近藤勇、芹沢鴨といった人物との関係も生まれている。
作者はこの第1巻で、手持ちのカードをすべて提示したのではないか(その後の進行は当初の作者の構想を超えてしまったにしても)。そんなことをうかがわせる図になっている。
しかし、次の第2巻になるともういけない。
第2巻「鈴鹿山の巻」の人間関係。
これでは人間関係を抽出したことにはならない。上のリンク先記事で書いたことだが、小説の世界は現実世界にくらべて狭く、人間関係が密接につながっている。直接の交渉はなくても、一人あいだに挟むくらいで全ての人物がつながってしまうのが小説の世界だろう。小説の人間関係を見るには、交渉の有無だけでなく関係の濃淡や人物の役割も知る必要がある。