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2016-02-11
台所のヨブ ver.2
仕事先の応接室で女性スタッフと話をしている。
進行中の仕事のスケジュールを確かめているのだが、そんなことよりもっと個人的に親密になれないか、自分はそればかり考えている。多少のしあわせ感がある。
壁の時計が二時を指している。夜中の二時である。
そんな時間におとずれる場所ではないから、夢だとわかる。
しあわせ感がしぼんでしまう。せめてブログかSNSの材料にして、この気分を残しておこう。
けれども、相手は実在の人物だから名前は変えなければならない。
シチュエーションも工夫したほうがいい。

そこで、夢は次のように書き換えられた。
書き換えも夢の中で行われた。

西日の差し込むアパートの台所。
自分は冷や飯に味噌汁をかけて食べている。
そこに妻だという女が帰ってくる。
顔に見おぼえはないが、妻であるのは間違いない。
表情が暗い。彼女は自分のかわりに裁判を傍聴に行ってくれた。それが暗い顔で帰ってきたということは、死刑判決だったのだろう。
もともと死刑か無期かの裁判なので、死刑であってもおかしくない。
自分が何をしたのかはわからない。
罪はなくて、罰だけある。
いや、罪はあるのだろうが忘れてしまった。そんなことだから死刑判決を食らったのか。
死刑執行の当日まで自宅待機だという。その日の朝、迎えが来るらしい。

最初の夢がどういう訳でこのように変わってしまったのか…。
この夢は「台所のヨブ」と名付けられた。命名も夢の中で行われた。