三太夫
旅から帰った三太夫は
さっそく妻の額に
三つめの目を穿 ったという
それからしばらく
二人は以前にも増して
仲むつまじく暮らしたと
「ねえ、三太夫、あの茱萸 を採っておくれ」
「いいとも」
三太夫は少し考え
手を伸ばして茱萸を採るかわりに
妻を肩車してやる
そんなことがあった日の夜
妻は同じ鏨 で
三太夫の背中に
愛の徴 を刻んだのだと
さっそく妻の額に
三つめの目を
それからしばらく
二人は以前にも増して
仲むつまじく暮らしたと
「ねえ、三太夫、あの
「いいとも」
三太夫は少し考え
手を伸ばして茱萸を採るかわりに
妻を肩車してやる
そんなことがあった日の夜
妻は同じ
三太夫の背中に
愛の