2023.2.28 tue. url #ダダ #谷川晃一 #ねじめ正一
谷川晃一とねじめ正一の対談「何がダダかよ」(『美術手帖』1984年10月号)から。
絵の谷川晃一と詩のねじめ正一で「意識的」ということに対する態度が逆だが、「図式的」な作業や作品を拒否する方向は同じ。
そのことの枕として、都知事選に立候補した岩崎筆吉という人の公約が置かれている。
岩崎さんに負けられない。
2023.2.27 mon. url #ダダ #ツァラ
トリスタン・ツァラ著、小海永二・鈴村和成訳『ダダ宣言』(1970年、竹内書店新社)から。
原著は、Sept Manifestes Dada, Lampisteries(『七つのダダ宣言、ランプ製造工場』)。同じ内容は他の訳書でも読めるが、横組にひかれて購入。古書。
かなり売れたものらしく、自分が入手したのは1978年の第5刷。
2023.2.26 sun. url #詩
春の湯
秋の雨
橋の選択
魂祭、万水嶺雨
橋の上
石斑魚の選定
春風駘蕩の朝の米、初井の強さの波紋
売られた蚊紋と常盤木の文太橋、成功の秋の波魂祭、その波のすべてがキサラ
水魂祭で分寺に湯煙を歌い、その頭陀寺にヒアリング
春雨の打ち出
分院と常盤木の文太橋から分院のゆるい溝縫いの目の横で
萩の文太橋から片頭の寺へ
初井の打ち出の小槌
田んぼの波打ち際で湯ったり頭
村人を小さくする春雨の成功を捧げ
畑の小波と眉毛の花、頭陀寺の長さの米を供えるキサラ
重さによる田んぼの強さ
縫い目の春
田んぼと常盤木の文太橋で着ぶくれれる朝
蚊一強の雨三井の恵比寿
2023.8.18 note.com 投稿
折々歌|mataji
2023.2.25 sat. url #詩論 #カットアップ #デヴィッド・ボウイ #ウィリアム・バロウズ
目に入るすべてを切り刻め。
デヴィッド・ボウイはウィリアム・バロウズの『ノヴァ急行』を読んでバロウズに会い、以来、カットアップ技法を作詞に取り入れることになった。
下の写真2点は、1974年、BBCのドキュメンタリー番組でのボウイによるカットアップの実演という。
雑誌の文章を手書きで別紙に書き写す。
書き写した紙を短冊状に切り離す。
できた短冊を並べ替えて、別の文章(歌詞)を作る。
という手順をやって見せたのだろう。
Bowie and the Beats: Design Observer
リンク先記事の最後に、「目に入るすべてをカットアップして、人生そのものを詩たらしめよ」とあり。ブライオン・ガイシンの言という。
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バロウズ=ガイシンのスクラップブック2点
William S. Burroughs | du9, l'autre bande dessinée
William Burroughs and Brion Gysin | Cutting Edges: Artist's Scrapbooks
2023.2.24 fri. url
天神さまでも祈ったり
しなくてはいけなかったり、神仏に頼ったのに
天神さまでも祈ったり
道真公、あなたもでしたか
やはり、神仏に願ったり、神仏に願ったり
しなくてはいけなかったのに
やはり、神仏に願ったのに
見ると、境内で天神さまが暴れてる
春です
春です
天神さまが暴れてる
見ると、境内で天神さまでも祈ったり
やはり、神仏に願ったり、祈ったり、祈ったり、神仏に願ったり
春ですね、おぼろ夜ですね、おぼろ夜です
天神さまでも祈ったり
春ですね、おぼろ夜です
天神さまでも祈ったのに
道真公、あなたもでしたか
天神さまが暴れてる
やはり、神仏に願ったり
やはり、神仏に願ったのに
道真公、あなたもでしたか
2023.2.23 thu. url #詩
熱き波の嘶き
我が身は馬上軍、我が身は馬上天下軍
新年の橋は誰のための眉毛の妖艶な成功の波動
春野は暑い波衣
2023.2.22 wed. url #詩
ナッツ・ア・カップル・ナレヤ
夕焼け小焼けでうまくいく
廿日市 月市場
秋の雨やオルチェ熱波
月無き世代の水中無我夢中 袖付けアドバイス麦こがし
のどけしの焼き棚
その霞のために
秋の雨 朝寝坊の春 紅葉の三日坊主
山腹に新年の枝の寺子屋
初井の選りすぐり
初井の焼く棚その宵に
鮎の選定袖付け
若き日の忠告落ちと花
生まれながらの世代
萌えは村人へ
のどけしやこは淘汰される
霞が関を得意とする村ナッツ
ナッツ小焼けナレヤ
夕焼けナレヤ
2023.2.21 tue. url #詩
待て、尾張者。
はじかれて振り向く二人の侍。
東尋坊の駄菓子屋が立っている。
誰が見ても、つば広のとんがり帽子に、袖や裾にはたきをいっぱいつけ、真紅の地に金の刺繍を施した、奇妙な中国風の衣装。
アミダクジの末の、直径一尺余りの円盤状の仏具。
それをこの駄菓子屋も、客を呼んだり演説の伴奏に使ったりしているのだろう。
馬の面を小馬鹿にして笑う。
白い秋の日、首のない男が二人。
自分たちの首が落ちた真っ赤な道路に、胴をねじって辞儀をする。
2023.5.25 note.com投稿
白い秋の日、首のない|mataji
2023.2.19 sun. url #詩
あまえて見ろよ
今度は親が転がり終わる
ベイビー
あの子供を見て見て立ち
あまり速く動き、鬼は親もうとしまり、最後の子を阻もうと、鬼の手を見つけになり速く動く動き、勝ち
ベイビー、最後まで子どもうと、最後の子どもうと、休んださい
今度は親もが転がり終わる
子をとろ子とろ
捕まえて見てくとしまえてくだ
親ださいるとしまり速く動き、後の子は親もうとしまえてください
ベイビー、鬼は親も機敏になれてくとしますり速く
ベイビー、後の子をす
捕まえて見ろよ
あますり速くと、ベイビー、ベイビー
2023.8.24 note.com 投稿
子をとろ子とろ|mataji
2023.2.17 fri. url #詩
紙で月光の作り方、月光の花
私たちはテーブルの中でもつれを作る
寺の月明かり
山の中で娘が出てくる
耳をおろす
寺は冬になる
けふのあひるはまれなり、けふは夜半に豆を食ひけり
池を這ふ人あり、花は稀なり
2023.8.12 note.com 投稿
池を這ふ人|mataji
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俺がひとりでぐうたらする。
うらやましがられる。
三、四人でも追随者が出たら、運動として成功。
これか、原文は。
《躺平主义者宣言》 · The Republic of Agora
日本語版(印刷版)の経緯。
当初は、シルクスクリーン手刷りで当店店主が表紙を刷っていたところ予想外に売れ、意地になって刷り続けたものの、1000部近くに達した時点でまんまとギックリ腰になったため、表紙も印刷版に切り替わりました(中身は同じです)。
シルクスクリーン版が欲しい方は、高円寺の店舗または下記一覧の販売店にてお求めください。
『寝そべり主義者宣言・日本語版』(原題:『躺平主义者宣言』) | 素人の乱5号店
2023.2.16 thu. url #詩
寂しげな彼のベランダに立ち寄ったところ、童子の赤ちゃんがついに亡くなったと聞きました。
「月の丹波」を子供の声で歌いました。
「月の丹波」を子供の声はすぐに母親のように聞こえた。
彼の叱責の声で歌いました。
寂しげな彼の叱責の声で歌いました。
彼のベランダに立って、隣の家に立っていると、隣の家から赤子のゴングがこだまするのが聞こえた。
初秋の涼しい夜です。後で。
2023.2.15 wed. url #詩
風が吹かなくても、人の心の花に慣れていきます。
この世を去るのなら、故人との別れより悲しいことがあります。
そして、白糸の染色や街並みの分断を嘆く人々がいる。
堀川院の百首のうち、
昔ながらの妹(じゃがいも)
私は孤独です、私は猿です。
2023.4.25 note.comに投稿
昔ながらの妹(じゃがいも)|mataji|note
2023.2.14 tue. url #詩
歌いはずす方もりきっ、梯子はずしちゃっ、はずすんなんか歌いはじめて
梯子はずしちゃって
おって
梯子
登りきって
歌ったところで
おっ、はずしちに
どうすんか歌なんか歌いはずされちゃっ、はずす方もはずす方なんだ、はずしちゃっ、梯子
どうちに
どうすんか歌いはずされちゃって
梯子
どうちゃって
おって
どうするつもはずされちゃっ、梯子はずして
歌なところで梯子はずして
2023.2.13 mon. url #詩
後徳大寺の大臣は、凧が飛ばないように寝殿の中で縄で縛られていました。
痛いはずです。
それを見て西行は、「凧を見ると何かつらいに違いない」。
昔、小坂殿の尾根に綱が引かれた時のことを思い出し、きっとカラスの群れが池で蛙を捕まえたら、そこから投げ返してくることだろう。「ひてなん」とは、よく覚えているという意味の言葉です。
2023.2.12 sun. url #ナンセンス #マルセル・デュシャン
デュシャン「遺作(Étant donnés)」のレプリカ
Ronald Jones on “De ou par Marcel Duchamp par Ulf Linde” - Artforum International
同じく説明図(上の写真とは向きが逆)
Marcel Duchamp – Étant donnés: The Deconstructed Painting | Toutfait Marcel Duchamp Online journal
説明図はデュシャン専門のオンライン・ジャーナル Tout-Fait 内の論文から。オリジナルの図は哲学者リオタールが作成したものというが、各部の説明は論文著者が付加。
図中の Picture plane(画面)と名付けられた部位はレンガの壁で、中央に穴が開いている。著者はこの壁を作品の中核であるとし、デュシャンはまずこの壁を作ったとする、しかも、ただたんに破壊するために。すなわち、壁=画面の破壊あるいは否定こそがデュシャンの意図であり、作品 Étant donnés に体現させたものである、と。
著者の理路から外れてしまうが、この壁を「画面」にたとえる代わりに、「額縁」とすることはできないか。
この作品の鑑賞者は、壁の穴を通してその先の光景を見るのだから、この壁を「額縁」とするのは、「画面」とするより自然な解釈だろう。
壁を「額縁」とする場合の難点は、デュシャンがこの作品に投じた年月と労力を無にしかねないこと。
もしこの壁が「額縁」のたとえだとしたら――
かつて男性用小便器に「泉」と名付けて作品としたように、そこらにある額縁に「風景」とでも名付けて、キャンバスを欠いた絵画として提示することもデュシャンには可能だったのではないか。この額縁を通してその先の光景をながめる者は、キャンバス上の二次平面に圧縮された光景の代わりに、まったき三次元の光景を味わうことができるわけで。
デュシャンは Étant donnés において作品を画面から解放した――と論文著者は言っている。上のように理路を差し替えてもこの点での結論は変わらない。難点は、デュシャンにおおがかりなナンセンスを演じさせてしまう結果になることだが、自身がナンセンスの追究に励んできたデュシャンであれば、肯定的な受け止めを期待してもいいのではないか。
2023.2.11 sat. url #詩
山々の坂林ゆっくり終わりかな――和馬
星のある朝日二文
酒の中の天王咲耶の人
花に蛙飛び込むかな老いらくの思ひ出かな――夢路
四死球の名残の音――蝶々庵
靄の中、舟に埋もれて
あの蛙の二頭が花に飛び込む
夢の中よりあの蛙飛び込むに埋もれ
雪景色の二つの癒しの香り、引っ越しで冷え込む年明け
旭日文の柳はもう終わりかな――貞子
老いたる香りに埋もれて思案すあの曲りの色かずまん顔牡丹あの蛙飛び込む顔牡丹水の雪かずまん死ぬなら舟の音
動く夕暮れのあの曲がり角に咲く二輪の花
花筐終るかな
蛙の飛び込む涼しさ
天野の邪気の霞の仙人掌の壁頭の涼しさよ
傘の眠りと小松に永フラン牛の眠りとバター霞の牛の色より蛙飛び込む末路か
天王咲耶の眠りや遅し
一等二等消炭庵
2023.4.14 note.com投稿
句会書留|mataji|note
2023.8.6 タイトル変更
坂東仁文川柳|mataji
2023.2.10 fri. url #詩
花陰のアヒルの散花咲
人が逃げるときの枝
山に行く時間になっても
花の雲、花の中のアヒル、冷たいスープの中の傘、花
滝が見える
花の足元に散る花咲いて、花の雲
楽しみやランデブー、クス、そして美しさがないのは誰ですか
花の静止画の甘い花の中の水
柴舟や、散りばめられた風車
夕陽に騙されている
2023.2.9 thu. url #詩
五百年ぶりの東京の山吹の里で
案に相違の花吹雪
片肌脱ぎの金四郎を囲んで
そういうことなら、好きにしてくれ
案に相違の花吹雪
五百年ぶりの山吹の里で
太田道灌として歌を詠みかけたところに
酔客がやんや
あがる歓声はと見れば
片肌脱ぎの金四郎を囲んで
そういうことなら、好きにしてくれ
2023.2.8 wed. url #詩
お相撲さんのお風呂とアジサイの池
キノコの黄土も嬉しそう
下は寒く上は人生 夕陽が似合う
秋の夜長ならお相撲さん
秋の夜長に風呂と狩りと黄土の汁も嬉しそうに
お相撲さん奈良錦
秋の汁が月雲を作るのではないかしら
包丁の月雲
夕焼けの汁は蝶ばかりでなく染の香もよし
秋の夜の寒さの香りの中で
寒の上 命の袖は風秋は風だけでない
不思議だ
姉の私が不思議に思う
2023.2.7 tue. url #再話 #牧野信一
写真が何枚かある。
おもに村長の息子が撮ったもの。
場所は小田急電車を柏山で降りて西北に5〜6マイル、山に囲まれた盆地の小村。
写真のうちの一枚は、総選挙当日の村役場前。入り口の受付にいるインディアンは水車小屋の若者E。
別の一枚は、居酒屋の前で民政党の運動員が歓喜に踊っている光景。服装はやはり僕を真似て作ったインディアンのもの。僕は着るものがないからそうしていただけだが、村の青年たちは都会のシックなはやりと思い込み、いまでは青年団の制服になっている。
「選挙に勝ったのは君のおかげだ」とインディアンたちに胴上げされている僕の写真もある。僕を当選者と勘違いした通信社の写真班が撮影。
その他、いずれも東京から移り住んだ僕の周辺を撮ったもの。
以上、牧野信一の「西部劇通信」による。
語り手は僕、ときに俺。
若者Eのほか登場人物は、Eのスイート・ハート、馬蹄鍛冶屋のY、森の炭焼家、川向いに住む執達吏、居酒屋の親爺、村長、村長のノラ息子、若者Eとは別の牛飼いのE、このEは鉄砲の名手、僕のワイフ、大学生のHなど、文庫本にして10ページ余りの短編だから、人物像の掘り下げや入り組んだ筋などはない。
ワイフは山女とある。山女のような風体の妻なのか、それとも事実山女なのか。
時は1930年春。
批評の代わりに再話。
読者は再話することで原作を自分のものにできる。
自分があらたな作者になる。
原作と再話のあいだに違いがある。その相違部分が暗黙の批評。
2023.2.6 mon. url #詩
マンニチャイルドから村人へ
さぁ、私のタラちゃんを噛んでください
マンニチャイルド・インタスティヴァル
夜明けはこのようにダウンしている
傘白し、うずまさ祭
鈴のお供えはいかがですか
子供シャベル、子供入って左、だけど転がる
マンニチャイルド・インタスティヴァル
2023.8.3 note.com 投稿
マンニチャイルド・インタスティヴァル|mataji
2023.2.5 sun. url
李白の月を見たりそこに草鞋を履く――滋賀
琵琶ゑびすの国のうらかた
糊を溶かす綾ひとへ(消費されたもの)
死桶に満たされた冬は我が家の吹きだまり
北彷徨は日陰に晩秋の翅を逝く花はゑびすに日陰の松を出す朝はひとへに消費され
日東に白鴻城の竹槿を見たり、また織物の浦方の竹槿を見たり
孕む矢の松の屯田
月の謎を行く
李白の男盆
綾の帽子
角行、回廊の男盆
綾花を溶かして丑の刻参りの男盆
あはれの竹槿に琵琶四郎
星の湯の僧は月
時雨透きとおる日東住職
李白の織りなす翼を見るか、人を見るか
時雨の木の繭にしらじらと曽木を見る人骨に伊布の国しらじらと着る人
冬に日東白虎のしぐれ(北の方の人盆)
いまは着るゑびすの国の花を朝は孕むゑびすの国の陰の冬哉
2023.4.2 note.com投稿
白虎のしぐれ(北の方の人盆)|mataji|note
2023.2.4 sat. url #詩
星明りの道で、アザミに背中を噛まれ
目的のない今、囁く女
飢えている今、背中を噛まれ、後ろを向いて、私の妹よ
彼女は星を
彼女は振り返る
誰が星を作ったのか女
2023.2.3 fri. url #詩 #ZINE
みのるさん。
別れてないのに…フィギュアステージ。
みのるさん。無精ひげの上に乗っかるクマさんになってください(泣)
そして世界。
私の影の感情…私の気持のこと。ダンジス?
もし、あなたが。
みのるさん。
人生は舟遊びです。
2023.3.12 note.com投稿
みのるさん|mataji|note
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ZINE、定形で送れるサイズの
湯浅学編集・発行「気刊ノーコン」創刊号、第2号、第3号(2009年)
2023.2.2 thu. url #詩
馬になるか豚になるかだ。
前世は学者で、中年になってから亡くなった。
会場の東の隅に、豚、羊、犬、馬の皮を乗せた棚が設置されていた。
馬になるか豚になるか。
役人が名前を呼んで、馬にするか豚にするかで処罰し、全員を裸にして、棚から皮をとって被せた。
宮廷に着くと、冥府の王が「適当に羊を作れ」と言うのが聞こえました。
現世に生まれたとき、自分だけ背中に毛束が残っていた。
2023.2.1 wed. url #詩
蛇姓の人が死んだ。
離れないように見ていてください。
いきなり蛇、怪しいので。