zakki no.30

[2023.1.1 - 2023.1.31]

2023.1.31 tue. link #牧野信一

明るすぎるほどの月夜の街道。
私が銀の横笛を吹きながら歌ってる。
こんな歌です。

  … こおおれはこれ
  ノルマンディの草原から
  長蛇船の櫂をそろえて
  勇ましく
  波を越え、また波と戦い
  月を祝う国に到着した
  ガスコンの後裔…

それにしても、笛を吹きながら歌うとは、
誰がそんな器用なことをしてるのか。
私です。私と称する人物が笛を吹きながら歌ってます。

牧野信一の短編「酒盗人」の冒頭。
作者の名にほとんど憶えがない。どんな分野の人物だったかも。
その人物が「集英社版日本文学全集」全88巻の中に、「牧野信一/梶井基次郎集」として収まっている。この全集が編まれた時点(1960年前後か)では、それなりの評価と知名度のあった文学者だったのだろう。

収められた短編のタイトル
地球儀、父を売る子、父の百カ日前後、西瓜喰う人、鱗雲、村のストア派、吊籠と月光と、西部劇通信、ゼーロン、バラルダ物語、酒盗人、泉岳寺附近、鬼涙村、裸虫抄、淡雪

ぱらぱらめくってみる。どれもおもしろそう。
字面がほかの小説と違う。
もしかすると、今までに読んだことのない類の小説なのではないか。
そう思って読みはじめたところなのだが…
いきなり、私が横笛を吹きながら歌を歌っている。
この私とは、「酒盗人」の語り手にして、たぶん主人公。
だが、フィクション中の人物であるにしても、笛を吹きながら歌を歌えるものか。無理ではないのか。それとも当方が何か勘違いしてるのか。

ということで、冒頭でつまずいたところだが、それでもたぶん読むだろう。
「酒盗人」の中には、その後も詩や歌詞らしきものが織り込まれている。ほかの収録作でも詩ではじまるものがある。詩人的資質の人が書いた小説ということらしい。

2023.1.30 mon. link #詩論 #ローファイ化

詩をローファイにするには。
頭で考えたのでは不可。
ダダの限界。バロウズによる突破。

チラシのローファイ。
技術や予算の不足など已む無い事情はあるとしても、むしろ敢えてのローファイ。
ローファイが拓く裂け目。

Interlude Docs on Twitter

サリーおばさんは 1978 年 8 月に結成され、1979 年 10 月に解散しました。 マイクをギターアンプにつないで歌った。 エレキギター、ベース、ドラムの音に合わせようと一生懸命、大きな音を出そうとしましたが、誰にも聞こえず、理由もわかりませんでした。
最初にカバーした曲は、ラモーンズの「Blitzkrieg Bop」でした。
ほら、行こう、1年足らずで終わったパンクバンド。――by Google翻訳

頭で考えては不可。
ローファイを可能にする環境、機器、システム。
たとえば、いくつかのキーが壊れたままのキーボード。
割れかけたコーン、スピーカーの。

2023.1.29 sun. link #詩

解ける謎と解けない謎があって
いつしか夜は明け、今は朝
探偵は夜空に消え
解ける謎と解けない謎が残っていたのです

後に「ランタン事件」と呼ばれることになった夜の、その翌朝

探偵は夜空に消え
いつしか夜は明け、今はまた朝
いいえ私は、大人の女の人ではありません
探偵は夜空に消え
探偵を知る人と知らない人が
一夜がやがややっていただけ

2023.1.19 note.com投稿
ランタン事件|mataji|note

2023.1.28 sat. link #大竹伸朗 #コラージュ

コラージュの傷跡。

「貼らないより貼ったほうがいい」
 これは数10年来変わらぬスクラップ標語みたいなものだ。ダメだったら剥がせばいい。剥がした後の感じは貼らないと生まれない。
 先日は試しに LP をジャケットごと数枚貼ってみた。
 貼り込んだ瞬間、今まで感じたことのない手応えがあった。
 ジャケットを裏表2ページ分として組み込むと、その途端「アナログ盤」という意識が一気に消え去った。中の塩ビ盤が「生っぽい物体」に見えた。
 ページとページの間の音を刻んだ黒く丸いモノといった物質感がギュッと浮き出た。レコード棚からスクラップブックのページへと、本来の「居場所」を変えただけで、自分の認識はこれほどまで変わるものなのかと思った。
「コラージュ」とは「居場所」を変えることなのかもしれない、そんなことを初めて考えた。 大竹伸朗「コラージュ球」(大竹伸朗展カタログより)

断章取義。元の文脈から切り離されて別の文脈に置かれた章句は、意味が変わる。
切り取られた章句の運命。そんなものは普通は考えない。だから大竹にとっても初めての経験だったのだろう。

それはそれとして、とにかく貼ってみる。思いついたらすぐ貼る。
ダメだったら剥がす。
剥がした後の感触は、貼る→剥がす、のアクションがあって生まれる。

スクラップブックや美術ならそれとして、テキストでは剥がした後の感触をどう残すか。
改変履歴の保存? それは無効だろう。読者は履歴まで遡ってはくれない。
手書きなら可能。抹消線があって、書き込み、重ね書きがあり、赤字があったりして傷が残る。傷を残す。あるいは破り取ったりする。
キーボードを捨てて、紙とペン。

オーディオとの並走、さらには装置化。
大竹伸朗展(東京国立近代美術館)にて

2023.1.27 fri. link #詩

誰が覚えていた
どうしてその悲しみのイメージを倍増させていた
彼女の大理石の黒い鏡の中で群がり、若いヒヤシンスのように

公爵夫人が何千人見ても見えても不思議に思わなかった鏡のように、蔦にからまれて
彼女はひとり立っていました
無数の遠く離れた場所で

けれども、奇妙なことに、彼女の繊細な姿を覆っていませんか
その悲しみのイメージを倍増させていませんか
どうしてそのものがある目は粉々になったものは動かず
彼女の繊細な姿を覆っているようなカールルームの配列から
夜に向けてまだ半分もほどけておらず

2023.1.26 thu. link #詩

その時、私は一目散に、そして間違いなく、それは神の真実であると知る。
まず第一に、それは風の中にあり、そして、彼女は二つの覗き窓を一番上まで開け、小さな金色の覗き窓をもう一つ張り付ける。

風が声を運んでくる。
沼地で溺れて死ねばいい。

バロニットが言う、君は素晴らしい吟遊詩人だ。
メシルフと俺はいつでも君の食事に行くよ。
いつでもどうぞ。
けれどもそれは、あなたが純粋さの中でベイトになるメシルフではありません。

海峡にある私のかわいい小さな牛舎。
風を通して見ていた女主人。

2023.1.25 wed. link #詩

ことりする。──P.1107
だ、も、二重に害をもが言うひとしあって物として見える。──P.85
二重には二重な目を変えて見えていつのないる。──P.85
いもか、二重に害をなりする。
ここと現実。

私がっていものが存在している。──P.7119
多重にとだが存在しいによればいもかえて物と意図、も、同じ悪人がまちな目を変える。
そもかればいつもの瞬間も一方の瞬間も、二重なし、一方の精神がらわれの公理には、も二重人格。──P.1

その精神がまちなりかえる。

見方のここの精神がらわれぞれぞれば、その精神が言うのは二重によれば、もの精神がら?
その世界がら?
私が、一物とりつもちなりしたらわればいって見える。──P.219
いいったら。

その瞬間もうの精神がまちなが存在しいった人格原型は同じ悪人々のこと等しているとりかえるとりか、そもの世界が言う?──P.6717

われると等して物思いもの人が、二重人々のことしてやれわれわれぞれの人があろう?──P.217107
そもの世界が他方が幼年期よりあら。
われ等していもそもが存在していると現実。
私が他方にはそのが言うひと意図、二重なの公理によりする。
公理自体があって物とつか、一方が二重によれる。

2023.3.21 note.com投稿
P.217107|mataji|note

2023.1.24 tue. link #詩論 #大竹伸朗

何かが起きてしまうこと。

「エッ? コレでいいの? これで完成?」といった作品に出会う確率は多くのギャラリーが一堂に集うアートフェアが圧倒的に高い。作者以上に選者の心意気を感じる瞬間だ。制作時間十分?といった作品がストンと内側に入り込んで心を去らないとき、やられた感がしばらく心に残る。
 そのような作品に共通して感じるのは「なにかが起きてしまっている空気」だ。「起きてしまっている画面」に直面するとき、しまったと思うと同時に希望が生まれる。 大竹伸朗『ナニカ ト ナニカ』

同じことは作る側にもあるだろう。「あれっ、できちゃった」と。
作る側と見る側の「あれっ」が一致した時、それまでになかった何かが公共の場に持ち込まれる。あるいは、公共の場を形成する。
とりあえずは、二名だけの公共だが。

2023.1.23 mon. link #詩 #詩論 #コラージュ

「あんた、それ頭悪いぞ」と不条理の天使が言う。
ほんとにそう言ったのかね。
さあね。
またポーかね。
まあね。

適当に拾い読んで、適当に書き写すと、それだけで詩になる。その例。

天使の思いやり、何度も何度も私の港を水で薄め、私は彼の話から、彼こそが人類の「逆時」を司る天才であり、懐疑論者を驚かせ続ける奇妙な事故を引き起こすのが彼の仕事であることを知ったのである。一度や二度、そして葡萄酒が三分の一、私が彼の主張に対して全く信じられないと思い切って表明すると、彼は実に怒り出したので、ここからを大僧正の台詞として、彼の好きなようにさせる方が賢明だと考え、私はただ目を閉じて椅子に寄りかかり、レーズンを食べたり、部屋の中で茎を弾いたりして楽しんでいた。
しかし、やがて、天使は突然、私のこの振る舞いを軽蔑と解釈したのです。彼はひどく興奮して立ち上がり、漏斗を目の上にだらりと下げて、大きな誓いを立て、私にはよくわからない脅しを口にし、最後に私に低く頭を下げて、ギルブラスの大司教の言葉で「幸せいっぱい、常識いっぱい」と祈りながら去って行った。

不条理の天使の憎悪に満ちた脅し言葉。
大量のさくらんぼ。
要するに彼は偶然の運命を司る霊であり、不条理な出来事をおこして、たえず懐疑家たちを狼狽させるのが職務だという。

2023.2.12 done
不条理の天使|mataji|note

2023.1.21 sat. link #詩 #詩論

軽気球スカイラーク号上にて、二八四八年四月一日
やれやれ、いつになったら、人間の頭にひらめきが訪れるのか。

同じく四月三日
演繹と帰納だけが真理に至る道ではない。
ケプラーは彼の三大法則を偶然思いついたと自分で認めている。彼は想像したのである。
想像という最短の道。

同じく三日、同じくエドガー・ポーの短編「メロンタ・タウタ」からだが、もし我々の先祖たちが肩越しに振り返って見ることができれば――とあり。
先祖たちは振り返るのか?
そうかもしれないな、彼らは我々に先行してると考えるなら、彼らが我々を見るとすれば振り返ることになるのだろう。
だが、と聞いてみる。
我々の先祖は過去の人ではないか。過去は我々のうしろにある。とすれば、我々の先祖はうしろから我々を見守っているのではないか。あるいは、笑ってるのかもしれないが。

原題の Mellonta Tauta は、ギリシャ語 μέλλοντα ταύτα のローマ字表記という。
意味は「これから先」、「以後」など。

詩にするつもりだったが、なりそうもない。
歌って終わるくらいのところか。
いや、これも詩だろう。むしろ、これが。

タウタ・メロンタ メロンタ・タウタ
タウタ・メロンタ メロンタ・タウタ

2023.7.29 note.com 投稿
メロンタ・タウタ|mataji

2023.1.20 fri. link #詩

よほど赤い色が好き
小町か

よほど赤い色が好き
これが雪の小町か

似たようないつかの暮方
雪の小町にばったり
やはり真っ赤なセーターを着て
よほど赤い色が好き

2023.1.19 thu. link #詩

おれひとりたたずむあなた
つらくてよ、何がだよ

雨がぬれてよ、何がだよ、何がだよ、何がって、歌って、恋の歌でも
夜にまぎれて、歌ってみるのだが、何がだよ
雨がぬれてよ、恋の歌でも歌って、歌って、恋の歌でも
誘われて、歌って、恋の歌でも
どれほど決まってみるか、たまには、恋の歌でも

つらくてよ、何がだよ、恋の歌でも
夜にまぎれて、歌ってみたが

雨がぬれてよ
どれほど決まってみたが
どれほど決まって、恋の歌がか
つらくてよ、何がだよ、何がだよ、恋の歌でも
夜にまぎれてよ、何がって、歌ってみたが
つらくてよ
今日もまた、心の傷がとか
夜にまぎれて
つらくてよ、恋の歌でも歌って、歌ってみるか、たまにはよ
雨がぬれてよ
おっ、決めてるね
やはりそれかと、声かけられて
何がってみるのだが、歌ってみたが

2023.7.27 note.com 投稿
恋歌|mataji

2023.1.18 wed. link #詩

ピストルで自殺しました。
だけどだめでした。
つむじとして見れば右ネジがよくなんだか知らないが、ネジとして見れば右ネジ。

ピストルで自殺しました。
とにかくなんだから、俺がだよ。
そいつも自画像を描いた。

また自画像を描いた。

ピストルで自殺しました。
食い込んでくるわけよ、でかいネジとして見れば右ネジがよくなんだから、俺のおぼえではこめかみです。
いや、食い込んで、耳を片方そぎ取りました。こめかみです。
また自画像を描いた。
とにかくなんだか知らないが、俺ではないが、ネジとしてね。
いや、食い込んできてよ、
食い込んできてよ、でかいネジとして見れば左巻きだが、
だけどだめでした。こめかみです。
頭のてっぺんから、俺がだよ。
そいつもいつも自画像ばかり。
なにがってられるかてんでくるわけよ、
外から何かが。

もみの木、もみの木、もみの木、もみの木、もみの木。
いつもいつも自画像を描いた。
もみの木。
だけどだめでした。

2023.3.25 note.com投稿
もみの木、もみの木

2023.1.17 tue. link #詩 #コラージュ

黒がはっきりと黒で沈んでいたんです。だけどそれをデジタルで再現するとどうしても変なノイズが乗りやすいのです。★いつもの店の前で絵を描いている。画集や絵葉書にあるあの店だ。ヴィンセントと呼んでくれ。★ロシア駐在日記。★南米代表コリンチャンスが日本へ出発!空港で見送るサポーターの熱狂ぶりがすごい。★★★ハゲワシ(禿鷲)は、鳥類タカ目タカ科のうち死肉を主な餌とする一群の種の総称である。かつて狭義にはクロハゲワシの標準和名だった。旧大陸の低緯度に生息し、英語では Old World vulture と呼ぶ。似た生態で新大陸に住むコンドル科 Cathartidae (New World vulture) とは類縁関係にない。★舞踏会とか、広瀬のこと?★鶴の恩返しにしてもそうだが、開けるなっつったら開けるなってことだ。★海面上昇で沈没したアメリカ南部のあたりの世界。★ソニーのオーディオ技術者がハンダ付けのスズについて言うには、「世界中の20カ所くらいの鉱山のスズの音を聴いた中で最もいい音のものを使っていたのですが、その鉱山が廃鉱になってしまったため、使えなくなってしまいました」★ 見かけのセンテンスは短いが、息が長い。★★友だちは幼いころうんと気にしてぎちぎちに編んでいた。★ショウガを薄く輪切りにして、ゆでてザルに上げ、冷ましてから2〜3時間陰干しする。だいたい乾く程度でよい。★男はうなずいて出ていった。それといっしょに、強烈なコニャックのにおいも消えた。「古いコニャックだね」と彼は言った。「昼日中、こんな上等なものが飲めるなんて、しあわせな男だな」★(アクセルを)踏み込んで無理矢理、落ちて重なってくる天井板を押しのけてなんとかギリギリ走り抜けることができた。★基準は不明。★何らかの理由で、彼らは無料の製品は無料で電話サポートを提供すべきだと考えており、無料の電話サポートを提供しない当社の製品は完全に無料ではないと考えるようだ。★ロシアの物理学者 Anatoli Bugorski 氏は、世界でただ一人、加速器内部の陽子線ビームで直接顔面を貫かれた男として知られる。★★★★★★

2023.2.14 done
2023.1.17|mataji|note
――――
行き詰まったら手を動かす。
でたらめでいい。

2023.1.16 mon. link

十四世紀の猫または猫また
いるのか、そこに――

と、手書きのメモにあり
「猫」または「猫また」
「猫また」は「猫また」
どちらにも取れるところが面白いと思ったのだろう

2023.1.15 sun. link #大竹伸朗

ほったらかしだがパーフェクト


こういう、まったくほったらかしだがパーフェクトなたたずまいというのは、いったいなにがそうさせるのだろうか。戸や壁の色や質感は言うまでもないが、ポスターのはがれ具合、小さなモロッコ国旗の傾き、カンバンの傾き、上を這う電線のたるみ具合、いったいだれがこれを決定し、僕の目に焼きつけられるのだろう。達人の技としか言いようがない。「竜安寺がなんぼのもんよ」というひねた優越感がわいてくる。 大竹伸朗『カスバの男――モロッコ旅日記』

実在を疑ってたわけではないが、
ウィリアム・バロウズがブライオン・ガイシンとカットアップに耽っていた町タンジール、
存在してたのだな。
はじめて地図や写真、イラストで確認。

2023.1.14 sat. link #詩

ぼろぼろ、昔は無かりけるにや
ぼろんじ、ぼろとす、梵字ともいう

ぼろとかや、人のいさぎよく
近き付けるにや

ぼろんじ、ぼろとかや
人の有様なかや
世を捨てたるに
ほろとぎて、闘諍すという

2023.3.7 note.com投稿
ぼろぼろ|mataji|note

2023.1.13 fri. link #詩 #フランクリン #避雷針

時間は貨幣だということによって怪しい
騙されたのだなあ、フランクリンに

何かが道をやってくる、邪悪なやつが
その Wicked Thing Wicked This Way Comes
他の何よりも金銭に価値を置く、その Wicked This Wicked
そこにいたのは、倦怠と憂愁の境に達したドン・ジュアン
騙されたよ

以後、避雷針売り
  どうやられたかだ、フランクリンに

および、そいつは避雷針売りが
ベンジャミン・フランクリンそのものの寓意像であること
騙されたのだなあ、フランクリンだから
かくして、世界に散った避雷針売り

発明者の心が宿る
  見せかけどおりの、分別ざかり
避雷業者のドン・ジュアン
  見せかけどおりの、分別ざかり

せっかくのドン・ジュアンだったのに
時間は貨幣だということを忘れてはいけない
そんな台詞を口にして

歌)何かが、他の何よりも金銭に価値を置く
  騙されたのだなあ、ドン
  せっかくのジュアンだったのに

2023.2.28 note.comに投稿
何かが道をやってくる|mataji|note

2023.1.12 thu. link #詩

空っぽの沼、未踏の荒地。
黄色か桃色か。
フラミンゴ本来の「黄色性」に抗して海外留学で身に付けた手法。
多義的だから、受手側それぞれの目を添え、塗料をスプレーで吹き付ける。

イメージによる説明の利点。
アメリカの最も発達した芸術としてのフラミンゴが本来的に桃色なのではなく、時々各々においての解明。
重要な遺伝学や数理モデリングを包括。
多義的だから可能な、受手側がこちらに好意的であるとしてのフラミンゴの分析。

2023.1.11 wed. link #詩

大和な萩の道明る
靄ごもとの一角を行けりし菩提樹のもる此の庭苑のおほけば遠嶺は憶良に建たる宝刹の日野にあしづまの遠つ
靄ごもるあらやどり
道明るし春日
瑞々と思へやどり春日
道に来遊ぶ鹿を見ゆ菜たむらじかに建てり春日野に
我が歌碑ここここにけり
いらか見る布留の道明る此の夕な萩の日
靄ごもとおほけだし春日の月夜
朝窓の花ちむかもと思へやくわがらや
――――
秋雨の日
秋雨にあらじかば塔は憶良にけなれば昔少女にやどり
秋雨に
秋雨のそと思ひする
大和なりよき処得てりしづか見ゆか見る布留の遠嶺は建てりよきいらかとにある布留の石ぶみ
――――
大和なれば塔はむらやどりよきいゆかとに
大和な萩のそふとふとめぐる宝刹のもるかに来遊ぶ鹿を行けりよきいろしづか見ゆ菜たむかば昔少女にそとふちむらじか見ゆき処得てり春日の川添とに飛鳥を占むと思ひする
巍々との遠に朝の花ちむ
大木あるかば昔少女に来遊ぶみ
朝窓の蔭に来遊ぶ鹿を見ゆいゆき淡々たねがらさき処得てり春日
道に建たる布留の家柿若葉生駒遠嶺はむとめぐるあらかば昔少女にあらさきめぐる
巍々とめゆいらやどりしづまの家柿若葉生駒遠嶺はむ
秋雨の蔭に朝の一角を見ゆき処得てり
大木あし春日
大木あしびの日の庭苑の遠つ
朝窓の遠にあらさきいらか見る布留のもる此の一角を見るし逢は建てりし逢は見るあし逢はむらかば昔少女にそとにそと霞みは淡き処得てり

2023.1.10 tue. link #詩

知らない男の話を聞かされている。
谷口ゲッソ。

そしてゲッソの母。そして今日まで母の劇だけが伝えられてきたわけ。
ある日、ゲッソのディアーズがあふれている。
その日、その時、一人のディアーズが道を歩みはじめる。
母の彼女は似顔絵師の娘で、自分も絵を描いた。

ある日、その絵は昨年、ケルンで死去した人物に数十の根拠があって前線に運ばれた小銭を描いたもの。母が蘇らせたのはジャーマンの衆道であり、その弟子に小銭の取り引きをまかせていた。名はゲッソ。

彼は留置され、あなた、本人ですか。

2023.3.3 note.com投稿
谷口ゲッソ|mataji|note

2023.1.9 mon. link #詩 #コラージュ #赤瀬川原平

ロープ職人の蜘蛛になる。
強引な女と時間から盗めば、技あり。
ロープの長さが百米ほど。

ロープ職人の蜘蛛になる。
ロープを引き揚げていたのですが、なんとそのロープの先端が、並んだままついてくる。
というわけで、ここでロープを張ってみると、そのロープはプロムになっており、その技がわからない。
その息子に手かせ、足かせをし、空に向かって悩殺する。

アンダーロープの筋目争い。
そのため、このような事態に至ると。
――――
メタコラージュとでも言うか。
本来並置できないはずのものを並置すること。


赤瀬川原平のエッセイ「眼の曖昧さ・寸借の視線」から。
ここにある星印は、いったん本から目をはなした読者がもとの箇所にもどってきやすいよう、赤瀬川が文中に書き込んだもの。
いわば、しおり。

紙の本と紙の栞は同じ物理的存在として並置できる。
本の内容と栞は別のレベルにあるもので、原理的に並置はできない。
並置できないはずである。
だが見てのとおり、ここでは並置されている。
内容に対してメタレベルにあるはずの栞が、オブジェクトレベルに入り込んでいる。
じつは並置できるのである。
なんとなくやってみたら、できてしまった。そういう例である。
しらばくれて紛れ込ませたとも見える。

2023.1.8 sun. link

タイトルがいい。
原題は知らないが、野坂政司「繭破りのパラドックス」という論文で、
「小麦の束が置かれた平原で吼える狼と空の月」
と訳されている。

William Burroughs, The Book Of Breething, OU first paperback edition (1974) : Pleasures of Past Times

ウィリアム・バロウズの文章とボブ・ゲイルのイラストで構成された『ブリーシングの本』(The Book Of Breething)のひとコマ。

出版元はこちららしい。

ショパンは、当時まだ珍しかったテープレコーダーによって音や人間の声を録音し、それらをスタジオで加工して実験的な音響作品や音響詩作品を作り出した。のちにはミキサーなども導入して作品を手がけた。また1963年から1974年の間、10インチレコード付きのアート・マガジン「Revue OU」の編集者としても活動し、同誌内で実験的な音響作品や前衛芸術を多く取り上げた。例えばウィリアム・S・バロウズやベルナール・エドシック、フランソワ・デュフレーヌ、ラウル・ハウスマンなどの作品が、同誌で紹介された。 アンリ・ショパン - Wikipedia
――――
カットアッパー(cutupper)でどうか。
肩書で自分を縛る。

2023.1.7 sat. link #詩

ただただ、転がっていく。
そして、風に吹かれて、ひび割れている。
その時、また何かが転がっていく。
何とはなしの、枯れた辺りを。

ただ、転がっていく。
そして、風に吹かれて、その時、転がっていく。

2023.1.6 fri. link #詩

歴代の入口
新しい掛けっていき、金をするとし、異常な行動をはじめ
もし、異常な行動を、この込んだが追いいき、異常な行動を地獄への中に企てられて掛けってられて

だ陰謀が、こ
新し、異常な行動をする
もし、金をする
新したち一人たい下宿人
新しをするとし、こ
歴代の世の次第に理性を失っこの中に悪意が、その込んだが、その次第に悪意が実際に悪意が、異常な行動をはじめ

その込んだが追いて引越しい下宿人たい下宿人
その込んだ陰謀が追い掛けっていていてら
歴代のアパートは次のうち一人
手の下宿人
その世の下宿人

男は幻

手の下宿人
手の前の人

2023.2.17 done note.com投稿
幻の下宿人|mataji|note

2023.1.5 thu. link #詩

彼は待っていました骸骨の妖怪です。★★★ 非常に有名な一枚。 音楽や美術でよくある手口。★ たとえば女がやっているのです。★ その娘とされる滝夜叉姫。★ 他のことはいっさい忘れ、沈め去っても。★ とコメントしていた。 描かれている。★ 彼はたばこを投げ捨てた。それだけではない。 スイスのタブロイド紙「Blick」の皮肉な見出し。★★★★★★ たとえ女がやってしまっていました骸骨の妖怪です。★ スイスのタブロイド紙「Blick」の見出し。★ 決められたテーマについて、ウェブや白書を調べてレポートをまとめるのは、平将門が討ち取られます。★ テスター等とは文字通り次元の異なる情報が得られたあと、その見かけよりも遥かに危険である手口。★★★★ 現代芸術風のタブロイド紙「Blick」は、平将門が討ち取られたテーマについて、ウェブや白書を調べてレポートをまとめるのは、平将門が討ち取られてから。★ テスター等とはいっさい忘れ、沈め去ってきても。★ 現代芸術風のタブロイド紙「Blick」は、平将門が討ち取られたあと、その娘とされる滝夜叉姫が呼び出す決まり。

2023.2.4 done
★その娘とされる滝★★★|mataji|note

2023.1.4 wed. link #詩

人砂の南。
人々が群衆の姓を名乗るときはいつでも。
人々が街を騒がせるときはいつでも。

人砂の南部で人が集まるときはいつでも。
彼と彼女に尋ねた。
彼らは他の人々と集まるときはいつでも。
人砂の南部で人が集まり、場所を得るために彼らは他の人々が群衆の姓を名乗るときはいつでも。
老人砂は、そこに含まれる黄褐色の砂として土壌と調和するように南に求められました。
問われて巫女は、「白濁、白濁」
しかし、彼らに会いました。
人々と集まり、場所を得るために彼らに会いました。

すると答は、「恐ろしいほどの泥地」
街から南へ三里の南。

彼らは他の人々が群衆の姓を名乗るときはいつでも。
人砂の南の南の南で。

2023.2.6 done
人砂の南|mataji|note

2023.1.3 tue. link #詩

身ごなしが人間そっくり
それも紅色、しかも紅色
そこまで染まって、学理がどうとか
他人の血を代償として
この世界にたどり着いたのだとしても
なんの障りがあるものか

2023.1.2 mon. link #詩 #詩論

真夏の映画「くも同期しも肌寒いにくも膜下出血を描くも肌寒い。
猫の映画「くも漫画「くも同期して現金を配布。」の疑い。」は風俗店でくも同期してビール券を発症。

票の屋でイン。
古ぼけたり一万数千円を吹き出血を約束。
猫の買収の雨。

漫画「くも膜下出血を渡して運動を描くも漫画。
日続き出する報酬とプロジラ。
投票を渡して運動員にかけたビル券を呼びかけたりまとめない。
公職選挙運動を約束。
真夏の闘病生活を呼びかる。
票の蕎麦屋の買収の屋根裏部屋の大量消滅、虹を呼びかかることプロジェクトックジェクホル券を吹き出血を吹き出血を吹き出すクジラ。
日続き出する謎の買収の買収の映画。
作者自身の映画。
映画「くも漫画化。
路上でも漫。
公職選挙法違反の郵便ポストッション。」のは必ずして運動員にかかることなどの疑いに長袖でも肌寒い。
あたビルのは風俗店でくも膜下出することりまとして運動を発症。

2023.1.21 done
真夏の映画、猫の映画|mataji|note
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推敲しすぎない。
無難化の誘惑。
推敲しすぎれば、最後は捨てることになる。
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2023.1.1 sun. link

自分を消す謙虚。
横光利一の「機械」に触れたくだりで、吉田健一が言っている。

この作者には言葉を前にして自分というものの影まで消す謙虚が本質的にあった。これは言葉というものの実体を知っていたということでもある。従って「機械」でもただ言葉があり、その働きで人生が、社会が、又横光利一という他の登場人物と変わらず一箇の人間以上でも以下でもないものがそこに現れてそれがこの世で我々に与えられた凡てである思いに我々を誘う時にそのことに付け加えて言うべきことは何もない。 「本が語ってくれること」

かな遣いを現代に改めた。
乱暴に言い直せば、おまえら、そこまで自分が貴いか、ということだろう。

他の登場人物と変わらぬ一箇の人間以上でも以下でもないもの。
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zakki作法。ばらばらでいい、むしろ、ばらばらがいい。

再掲、2021.8.17記事
・路上で現金を渡して現行犯逮捕される。日本橋の蕎麦屋の前。
・投票を呼びかける報酬として運動員に1日あたり1万数千円を支払うことなどを約束。公職選挙法違反の買収の疑い。
・映画「くも漫。」は漫画「くも漫。」の映画化。2017年公開。漫画「くも漫。」は風俗店でくも膜下出血を発症した作者自身の闘病生活を描く実録漫画。
・猫の大量消滅、川にかかる謎の郵便ポスト、虹を吹き出すクジラ。
・あいにくストックホルムは三日続きの雨。真夏のはずなのに長袖でも肌寒い。だが、天候とプロジェクト進行は必ずしも同期しない。古ぼけたビルの屋根裏部屋でインプロセッション。
・票のとりまとめなどの選挙運動をすることの報酬としてビール券を配布。