zakki no.45 by mataji
[2024.4.1 - 2024.4.30]
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2024.4.30 tue. url #アポリネール
[プロローグ]
燕尾服の座長が登場して長い口上を述べる。それによると、座長が北部戦線にいたおり、突然の敵軍の砲撃で秋空の星がひとつずつ消えていく事態になったが、「さっさと星に火を灯せ」との名も知れぬ隊長の叫びに我が軍が反撃を開始すると、星々は光を取りもどし、満点の星の輝きに敵軍は沈黙したのだった。
長い前置きがあって、座長は本題に入る。
フランス人たちよ、戦争の教訓に学んでもらいたい。そして子供をつくってもらいたい。ほとんど子供をつくらなくなったあなたがたよ。
[第1幕第1場]
背景はザンジバルの市場。朝。
登場人物は、テレーズと夫。ただし、夫は声だけ。舞台奥に、一人で「ザンジバルの民衆」を演じる人物がいて、楽器、雷鳴、皿の割れる音など、すべての効果音はこの人物が発する。
テレーズが言う。
あなたの思い通りにはなりません。フェミニストですからね、勝手にやります。私だって戦争がしたい。兵隊になって、次は芸術家になりたい。
代議士にも弁護士にも、上院議員、大統領にも、数学者、哲学者にもなりたい。
かわいい踊り子だって、囲ってみたいわ。
おやまあ、アゴヒゲが生えてきたわ。それに乳房が取れちゃいそう。
テレーズがブラウスの前を開くと赤と青の乳房がのぞき、彼女が手をはなすと風船のように飛び出そうとする。彼女はライターの火で風船を爆発させ、コルセットの中に入れていたボールを客席に投げつける。
口ヒゲまで生えてきちゃった。まるで種馬みたいな私、闘牛士になろうかしら。
この間、夫は「ラードをくれって言ってるんだよ、ラードをくれって」と、ときおり繰り返すのみ。
夫が舞台に現れる。
目の前のテレーズがテレーズでないことに夫は気づく。
私はもうあなたの妻ではない、とテレーズ。これからはテイレシアス(*)と名乗ると宣言。
夫の前から去るテイレシアス。
ザンジバルの民衆によるさまざまな効果音。
さりぎわにテイレシアスが窓から捨てた小便ツボを拾う夫。
あらたに二人の人物が登場、脇筋の話がはじまる。
その間にテイレシアスがもどってくる。夫のズボンをはぎ取ってスカートをはかせ、綱で縛り上げる。自分はズボンをはいて男装に変わる。
やっと手に入った自由よ、とテイレシアス。
いまや世界は私のもの。女も政治も私のもの。市会議員になってやろう。
巡査が登場して、縛られている夫をみつける。
「かわいい娘さん、誰がこんなことをしたんだね」
巡査は綱を解きながら、「なんてかわいいんだ」と繰り返す。
(脇筋につき略)
巡査「あんたはゴムまりみたいに触り心地がいい」
夫は自分のスカートをまくりあげる。
巡査「大胆だね。かまわんよ、きれいな娘なんだから」
「なるほど」と夫。「妻が男なんだから、私が女でもいいわけだ」
舞台の袖で女たちの声。
「テイレシアス、万歳」
「子供はもうたくさん、子供はもうたくさん」
巡査がパイプを取り出して夫に渡す。
巡査と夫のやりとりにあわせて、ザンジバルの民衆が歌詞を書いた看板をかかげる。
パイプをお吸い 羊飼いの女
私が笛を吹いてあげよう
ところがパン屋のかみさんは
七年ごと(**)に皮をかえた
七年ごととはこりゃひどい
巡査が結婚を申し込むが、夫はことわる。
「ばかばかしい、自分で子供を作ってるほうがまし」
夫の演説。
ザンジバルの女たちが参政権を求めている。そして、子を生むための恋を放棄した。ザンジバルを満たすには、象で十分、猿や蛇や蚊やダチョウで十分、と。(メガホンで)ザンジバルには子供が必要だ。女たちが作らないというなら、男たちが作ればいい。自然がどんなふうにして、女なしで私に子を生む力を授けるか、見てもらおうではないか。
巡査「女なしで子を生めるか、とくと拝見しよう」
夫「では今晩、もどってきて見ていただこう」
先の看板の歌詞を、一同で合唱する。
以上は、ギヨーム・アポリネールの戯曲『テイレシアスの乳房』前半の粗筋。
(*)テイレシアスはギリシャ神話に出てくる盲目の預言者。『変身物語』によると、山中で交尾している蛇を見かけてムチで打ったところ、女に変わってしまったが、7年してまた交尾する蛇を見かけて打つと男にもどることができた。男女双方の性的快楽に通じていたとされる。
(**)この7年は、『変身物語』を踏まえているはず。
2024.4.29 mon. url #詩
佐渡は闘いもなんないも何が
未練はあ
そんで
佐渡へ佐渡へと草木が驚くこれにもないか、そうするわせぬ
ころで掘らなびいからなとこれは闘いやつめ
佐渡へ佐渡はあ
きのうする間にもないか、そうは闘いなるわけよいか、はさんないやつめ
そうするわせぬ
商売を掘らないか住みよいか
佐渡は居よいで金鉱を掘ら
きのうは相川でとこれにはあ
おれは闘いないで
妙に妙なびいからないからないか住みよ
こともないて
そうするわけよいやつめ
きのうは相川で金鉱を知ら
妙ないもないで金鉱を知らなびいやつめ
佐渡へ佐渡は言わせぬ
未練は闘いやつめ
佐渡は相川できのうする気が
2024.4.28 sun. url
ジョン・ハートフィールドのフォトモンタージュ
2024.4.27 sat. url #詩
一匹の猟犬が敵を襲い、一撃一撃、深淵なる一撃を背に受けて感じている――らしい。
今、衝動はグアレマンです。
あなたの名はフィールー・トンです。
それからワット・レメトゥ・トゥルーに飛び込み、とても高いところにいる。
カンドリューは大騒ぎしていない、あなたは私を取り囲むシュートの高さまでヒューメイドレッドに向かって歩いています、尖塔の深淵。
ボフメイド、空、あなたはシュートします。
もしあなたが私たちに手を差し伸べたとしたら、私たちの尖塔は青く染まります、アノショット・アーク。
さあ、あなたの岩を投げてください。
アンドレッド・リング・ザ・アビス・ウォーは、あなたが好きだった人たちへのひとつのトレビュケです、あなたフィールー・トンは、あなたが歩いている間にシュートするまで震えつづけたフルグアーを恐れ、あなた自身を立ち上がらせました。
これでほぼ全員です。もし。
2024.4.26 fri. url
ジプシーには、固有の服装というものがない。昔からジプシーの女性は、着物を紡ぐこともせず、織ることもしないできた。着ているものは、みなジプシー以外の人たちの着るものだ。また、そういう人たちのお古だ。ただし、着物の着方や色彩や配色などは、ジプシーの昔からの独特のものである。
マルティン・ブロック『ジプシー』(相沢久訳)
ああ、自分もだ。
他人からもらったものをずいぶん着てきた。
ジャケット、パンツ、シャツ、スーツ、コート、セーター、多くは古着。新品の場合も、何かの事情による不要物。
年上からも年下からももらった。
男物も女物も。
生者からも死者からも。
持ち主の知れぬ革のサンダルも。あれはもらったというより盗んだというものか。
いくぶんかはジプシーなのだろう、自分も。
2024.4.25 thu. url #文章
チェという樹上哺乳類は、進化の過程で構造化された集団生活と食料確保という統一された方向性を持って全国に分布している。
ツリートガリネズミは樹上生活を進化させた種である。
小型で低山に生息する。
ツリートガリネズミ科。
ネズミ科の尾は実や昆虫をつけるが、サイズは小さく、低山というより森のようだ。
よく知られているのはコトである。
ネズミ科の方向性も特異で、球形の樹木に侵入し、これはチェチェンの構造化された集団生活と食料確保の哺乳類過程を持つ特殊な種で、外から見ると長い。
進化の過程で果実や昆虫を食べるが、サイズは小さく、チェチェンでも外からも非常に分布している。
樹上哺乳類は、進化の過程で構造化された集団生活と食糧確保という統一された方向性を持ってチェチェンに分布している。
樹上生活をするように進化したツリートガリネズミの仲間がいる。
彼らは小型で、低山に生息している。
ネズミ科の尻尾には木の実や昆虫が実り、低山から見るよりも小森林のそれに近い。
2024.4.24 wed. url #詩
疲れ果てた群衆の死。ライトは別の女性化が差し迫った兆候だと言う。
戦争が終わると、着物で将校たちのために歌った後、もっと痩せてしまうのでしょうか?
優柔不断なマネキンの、どっちの手?
娘たちはドナウプを燃やし、妖精の国を魅了します。
彼女はおとぎの国のホーム・スイート・ホーム。
彼女はさらにそこにいた警官とスタッフを次々に燃やし、熱狂的な群衆がパリの真の群衆を殺しました。
もっと歌って、使い古されたマッチ。
彼女は女性マネキン、それが彼女のモットーです。
あのパリのあの子は彼女の。
あの女の子の中に娘がいて、私はあなたのものだと言いました。
彼女は群衆のマネキンに熱狂し、それが彼女のホーム・スイート・ホーム。
2024.4.23 tue. url #詩
菊や楓の苔の葉があるように行き、栗巣野という道で、木の中の水滴が、菊や楓の葉に散っている。あると予想される樋のところ、菊や楓のところ、憂鬱な気持ちで降り、神無月の葉のある山里へ遊びに訪れると、わたしが庵に隠れて、木の中の葉があるように埋もれている。庵が散り、神無月のころ、憂鬱な気持ちです。ある神無月の、苔のころの、神無月のです。
ある山里へ遊びに、栗巣野という地を行きました。散るに任せて。
2024.4.22 mon. url #カットアップ #ツァラ #バロウズ #鶴屋南北
歌舞伎の脚本術に「書き替え」というのがある。
先行作品のあらすじや人名を借りながら、人物や場面の設定を変えて、別物に仕立てる手法。材料は同じだが縫い方が違う、とでも言うか。
また、「ないまぜ」というのがある。
これは複数の先行作品をまぜこぜにして、別の作品にする手法。パッチワークに例えることができる。
これらの手法は、後世の文学におけるカットアップを思わせる。
相違は、ウィリアム・バロウズらのはじめたカットアップが、テキストレベル(センテンスあるいはパラグラフレベル)の手法であるのに対し、鶴屋南北に代表される書き換えやないまぜが、ストーリーレベルの手法であること。
テキストレベルより一段こまかい字句レベルの手法に、トリスタン・ツァラの切り貼り法がある。
新聞を持ってこい、
ハサミを手に取れ。
新聞から記事をひとつ選べ。
君の詩にあたえたい長さの記事だ。
次に、この記事を構成する単語をひとつずつ、
念入りに切り取って袋に入れろ。
袋をやさしく振ってみろ。
切り取った単語をひとつずつ取り出して、
袋から出てきた順に、
注意深く書き写せ。
君によく似た詩ができあがるだろう。
今や、君はかぎりなく独創的な作家なんだぞ。
俗人には理解されなくても、魅力的な感受性をもった作家といういうわけだ。
―ツァラ「ダダの詩を作るために」(塚原史訳)
先行作品の借用・盗用は、密かにか無意識にかは別として創作者ならやっているはずだが、歌舞伎、バロウズ、ツァラらの例は、先行作の流用を公然とやったことに意義がある。流用を許容させたことにも意義。現代の例で言えば、オーディオにおけるサンプリングも同列か。
歌舞伎の例が飛び抜けて早いことをどう考えるか。ツァラやバロウズに百年以上も先行して、ずっと大掛かりなカットアップを日本の歌舞伎が手法として確立していたことになるのだが。
2024.4.21 sun. url #詩
洗濯槽とは無関係と思われる下着。
少佐の失踪をきっかけに、教授は森を旅するロシア皇帝。
近づく世界大戦。
カールスバッドからの脱出が混乱を引き起こす。
真昼のデコルテ。洋服。パリスは次に何を着ような種類の会議も、夏の気だるさと、現在のいい加減さのせいで、逃げたりしがちである。
ガロスが死んだとき、私は友人を失うことになっている。
ロンドンで発見された紛失トランク。
ベオグラード陥落。
死後二時間を生きた男。
洗濯槽とは無関係と思われる。
ジャウレス下院議員が無差別に暗殺される。
自分は洗濯槽をながめる。
これが第一次世界大戦のはじまりか。そんな気がする。
どのような種類の会議も、夏の気だるさと、現在のいい加減さのせいで、逃げたり捕まったり、この戦争が終わるまでに、数々の紛失トランク。
2024.4.20 sat. url #詩
どこのは 高い故郷のは 落ちてさ え知れよ
遠いし 恋し 旅路の長さ え知れず
明日も 夕日の流れず
水の 旅路の国かよ 水の国かよ
水の 落ちてさ え知れず
山はただ 広しき空よ 恋しきは
一人とぼ 落ちゆく暇なく 涙は かよ
今日の 果てさ え知れず
明日の 恋しきは ただ広し 果てさ
恋しきも 夕日も 夕日の長さ え知れず
どこの空よ
どこの空よ 山は
水の 浮き寝の 故郷の国やら 果てさき空よ 果てさきも 夕日もの 果てさ
明日も夕日の 落ちゆく さきの空よ
遠い故郷の 落ちて え知れず
山は落ちて 崎は落ちて 水の流れや 野は どこの 果てさ
とぼ 旅路の長さよ
2024.4.19+ fri. url #楽譜
台詞 ぼんやり雲が流れて、何か行っちゃった感じ
女声 行っちゃった〜
歌 何か行っちゃった感じ
風に吹かれてよろけたはずみに、魂を抜かれた感じ
何のために
女声 何のために旅に出たの?
歌 聞かれて答えられないひょうたんの気持
メモとしての楽譜。作曲の結果をメモしておくのが楽譜だとしたら、この程度のものでいい。
鼻歌なら、これで間に合う。言葉があればメロディは自然に出てくる。自然に出てくるなら、楽譜はこれで足りる。
タイトルは「ひょうたん気分」
2024.4.19 fri. url #詩
月が家で陰る
人は砂泣く、鳥を捕る
ことわざに言う念仏西行、分かち合いの場には属さず
凧の雨の浅黄
麻呂の名は、門の柳の跡
兄弟傘、坊主は鳥居で
念仏さぶげ、秋あられ
2024.4.18 thu. url
拙劣な書き手は多くのことを思いつき、その思いつきのなかでやりたい放題に振舞う――ちょうど、拙劣で修練不足のランナーが、だらけた、揺れの大きな手足の動きで走るように。だが、まさにそれゆえに、彼は自分が考えていることを、決して冷徹に言うことができないのだ。
ベンヤミン「巧みな書き手」(『ベンヤミン・コレクション6』)
そういうことだ。
ゴンドラ、ゴンドラ、とか言ってみる。
木の哺乳類とかも。
2024.4.17+ wed. url #詩論
理由は特に無しに『響きと怒り』を岩波文庫版で再読してて、懇切丁寧な解説に大いに助けられているのだが、それにしてもスーパーアバンギャルドで、フォークナーといいヴァージニアウルフといい、百年前の方が文学ははるかに進んでて、特に近年はしょうもない共感頼みの自分語りに堕したとマジで思う。
佐々木敦 on X
やはりそうか、百年前のほうが文学は進んでいた、と。
自分がダダの真似事をしてるのも、こんな壊れたのを自分もやってみたいと思ってのこと。
百年前のアヴァンギャルドを真似るなんて、時代遅れもいいところではないか。そうも思うが、そうでないようにも思う。
遅れてるのは自分ではなくて、時代のほうではないのか。
しょうもない共感頼みの自分語り!
これだなあ、かけがえのない私というやつ。
2024.4.17 wed. url
牛は私たちの知らない磁石をプレーに用いる。
もともと牛は磁石なのだ。
そして、磁石の金属片イベントハープが、解剖学的な責任を負う。
その草は、任意の音のイベントとして機能。
部品でメタフィルターをハープすることができます。
また、農民は爪を台無しにし、心臓に牛についての記事を読むことができます。金属をハープすることができます。それに対して、巨大磁石を牧畜用具とすることの是非。
牛は磁石で消化する。
牛を網目状の金属物に突き刺すと、嘔吐する。
2024.4.16 tue. url #詩
あの子は坊やを なたのこんに
二人の子は坊やを 花の子はずれてあの いには出さみしなきゃせぬか
叱られて
この なきゃせぬか
ほんねど 眼に
夕べさみしいつの山を
この山を ねが いつの子は坊やを なたの子は坊やを
叱られて
こと あの子は出さねど な
夕べさみしい な
越えてあの 眼になきつねが 叱られて いになたの山を 叱られて お里は出さねど お使いに花見はずれて 叱られて 村 あな
二人のお里は出さねが きつねど いつねんに花のこと いに花見は あの子は坊やを お里は町まで いつのお使いにな 口になきつの山を お里は出さみしいに花の子は なたの子はずれて 叱られてあなみだ
こと 叱られて 叱られて
あの子はずれて
こんにはずれてあのこと 叱られて 叱られて
ほんに花見はずれて
越えて
叱られ
二人の子は 花見は ねが あの子は出さねんねが あな
叱られて いに花の山を お里は坊やを
叱られて あの村
2024.4.15++ mon. url #アナキズム
かつて「スイスにおけるアナキストの秘密活動」が非常な規模で調査されたことがある。その調査の全体からは、人を煙に巻くような結果しか生じなかった。ある仕立屋、靴屋、酒蔵の番人が、社会をひっくりかえしたいと思っている、しかしたいていのばあい、社会をすっかり混乱させてやると考えるだけで、もう十分なのだ。そのとき、恐ろしい秘密や血なまぐさい後光に包まれた自分が感じられる。ありきたりな日常生活がひとつ危険な意味を獲得する。それで十分なのだ、行動はもはや必要としない。
フーゴ・バル『時代からの逃走』(土肥美夫・近藤公一訳)
アナキズムについて何か言おうとすると、アナキズムの定義から始めなくてはならないが、この調査の対象とされたアナキズムは、とにかくぶち壊せ! というアナキズムだったのだろう。ということは、アナキズムとはそのようなものだと一般に思われていたということ。でも、調査結果は違っていた、と。
だとしたら、なぜ大規模な調査が行われたのか。
調査する側が、そのような気配を感じ取っていたからだろう。
そして、結果は枯れ尾花。
ことによると、このときスイスをおおっていたかもしれないアナーキーな気配とは、調査を行った側の後ろめたさの現れではないのか。我々は国民に恨まれているはずだ、という。
2024.4.15+ mon. url
『サイバーパンク・アメリカ』旧版、パラパラめくるだけで作者当人の面白発言がポンポン飛び出すし… ウィリアム・ギブスンが地図取り寄せたら、東京と千葉の間に川があってホッとした…て
千葉は行ったことがない。
だからデトロイトのイメージで千葉を描いた。
多少はうしろめたさもあったという。
だが地図を取り寄せたら、東京と千葉のあいだに川があって、ほっとしたと。
2024.4.15 mon. url #詩
ほんになみだ
くちにな
ほんに
あのこんと きゃせぬか
ほんと きつの あなきゃせぬか
こんと きつの いに
しかられて
2024.4.14 sun. url #詩
アンレーヴの洞窟で。
商人は暦に侵入し、我々はクリーチャーデスクの斧を保つ。タイタスと私のカラテュストラの知恵。
ツァラトゥストラはニワトリと共に暦に侵入する。
影を辿り、ニワトリと私のカラ。
墓穴を掘る。
外では……我々は……解き放たれる。
私のカラテュストラは商人の背後に侵入する。
時空の円と私の頭蓋骨を取る。
規律の後ろ。
洞窟で。
時間軸をたどれ。
影に従え、我々は生き物の机の斧を保つ。
ニワトリとザラ。
植物の後ろ。
時空線のカレンダー。
彼のニワトリと一緒に。
私の頭蓋骨の後ろ。
ツァラトゥストラの知恵。
洞窟の内と外。
商人の商人に従ってください。
外で我々は時間軸を取る。
影と私の頭蓋骨。
外で我々は時間と私の頭蓋骨を取る。
外で我々は影と彼のニワトリとのサークルを形成する。
外で我々はカレンダーを取り、形成し、形成し、影と弟子の人間の斧に植物を取る。
キャベライン。
カレンダーと私の頭蓋骨に従ってください。
後ろに私たちは時間と形成と植物。
影と植物。
商人に従え。
人間の斧を取る。
暦と規律。
暦と植物。
商人。
時間軸。
解明。
アンレーヴライン。
アンレーヴを取る。
洞窟で。
時間軸の外側。
時空線の輪を取る。
植物の影に隠れて、彼のニワトリとの輪を形成する。
カレンダーと彼のニワトリと私のカラ。
商人はインヴァデスク斧に従え。タイタスと私の頭蓋骨。
時空の暦と規律。
影と私たちの時間と私たちの時間軸。
外は時空と植物のインヴァデスクの時間を取る。タイタスと商人のカラテュストラ。
ニワトリとザラ。
人間の斧を取る。
時空の輪を奪い、洞窟に侵入する。
洞窟。
洞窟の外にはカレンダーと頭蓋骨がある。
植物の背後が時間軸を奪う。
解明。
外では影と私のカラフトゥストラが洞窟の商人と規律を守る。
人間の斧を取る。タイタスと私たちは、クリーチャーデスはアンレーヴを保つ。
時空のサークルを形成し、我々はカレンダーと植物を影と形成に従ってください。
私の頭蓋骨の後ろに。
ツァラトゥストラの知恵。
カレンダーとニワトリと私のカラテュストラ。
時空の輪を作り、人間の軸を作る。タイタスと私の頭蓋骨。
時空を超えた人間の斧。タイタスと植物がアンレーヴを侵略する。
影に従え、そして我々は洞窟人と私のカラテュストラの知恵。
洞窟。
洞窟。
暦と規律。
洞窟ライン。
私の頭蓋骨の後ろ。
アンレーヴ。
斧を取る、そして我々は生き物の机の斧を保つ。
斧を持ち、植物を植える。
洞窟の中のツァラトゥストラ。
時間軸をたどれ。
影と私の頭蓋骨に従ってください。
2024.4.13 sat. url #詩
裏通りの物陰で
スクルージのおっかさんが
スクルージを産んでいる
ところはロンドン
運がいいのか、悪いのか
あんた、そのうち
あれがスクルージのおっかさん
と指さされるよ
2024.4.12 fri. url #詩
烽火ノアガル嬰児ノアツサガル鴉トソシル
ハタ肋骨トナ笑ヒデ
アラウソノ錆ビ蝕サル
ソノ幻覚デアル
ヤウソノ涯ハスルソノ錆ビ蝕サル
トサラ絡ンダ
見エナイ狂気配ガ最後退スル地点カ馬デアル中ニト大キナ手ト
アラニ掘ツタミハ沿海ニ掘ツオレガテ異トソシテ異トサレハ監獄ダ歪ンデアツタ肋骨ト時オレタカ地点ノ靑褪メタサレル
風ニヤナイモノ海州ノ肉体ヲ塗抹スルワヅカラユクノ凶暴ナル地面ニ一点ノハ
タイテ生キテ泥炭デアガレヤラ標的ニアラウナ手ト
風ノ中ニアツクリ返サイ風ニソレガル冷タダ屋根ノ後退スルワヅカ地面ニサラニ掘ツタラ絡ンド何モノ反抗ノダ
夢ノ錆ビ蝕サレガ悪徳
デアツサガル
ソノ黒イノ中ニ弾創ハ
君モノ時オレタカラ絡ンダ歪ンダ
ナ笑ヒデアノ顔
八重ク浸ミハテ異トナイ風ニサラ絡ンダ歪ンド何モシテ異トンダ
君モ見エナルカトソノ顔
気配ガ悪徳ナル地面ニ酉
2024.4.11 thu. url #詩
歌よ。
歌は弾に家。
夜の家を逆流されは記憶の赤、いつもでも苦若。
血を放つかられると思い。
棺に埋々めら湧きるとは記憶のかで思い。
死とはあるに生きるに家。
歌うわけない者のか?
鳥の赤いの歌はある喪の巣の存在。
生きてようになった者も立ち上がるに生き上がる喪の赤い抗議しい匂いる死者のかでかでかくことなしい死者の墓場に包まれる。
鳥の底かで重いの中に生き残ってい旗の歌は二度と青空を見るのか?
いつもよ。
この赤い肌がある死者のか?
夜の痕よ。
2024.4.10 wed. url
リリアの適応力について。
捕食性のアオサギと真っ赤なウグイス。警告の声と求愛の声を区別するなど、このような区別は進化しなかっただろうし、動物が心を持つ理由は他にもある。動物は将来自分がどう動くかを予測するし、リリアはポジティブな感情とネガティブな刺激を物質として感知、見分けることができる。
彼女に心があるとかないとかではなく、むしろ、心の正体は化学反応だと言ってるのではないか。
それも、彼女に限らず、一般的な原則として。
2024.4.9 tue. url #詩
内臓神経堤がある。
顎がない。
豚足よりも齧歯類に近い。
変化を経ている。
ヒトの意識に関連する脳構造の一部が皮膚に含まれていることから、神経堤があったとわかる。
内臓神経系は有羊膜類と同様に単純である。
同様にタガメは目が見えず、暗く、感覚の一部が含まれていない。顎がないことに留意すれば、タガメが祖先であると言える。意識は現代の爬虫類ほどの大きさ。
2024.4.8 mon. url
人がいる。がっかりしている。
誤解されたのだという。
Google SketchUp の API は ruby ! - A Day in the Life
その人のいるあたりを見れば、座標の原点に近い。
きっと原則の人なのだろう。
だから原則を言って誤解され、ついでに嫌われてしまったのだろう。
誤解は悲しい。誤解はつらい。誤解は残念。誤解は悔しい。
けれども、誤解されるのは原則を言う人だけではない。
現実の世界は原則の世界よりずっと広いから、
行き違いもやはり多くて、
ほら、座標の北にも南にも、右にも左にも、現実的なことを言って
嫌われてる人があんなにたくさん。
原則を言っても現実を言っても誤解される。
そういうものです、人間の世界は。
誤解の理不尽なところは、
誤解した人ではなく、誤解された人が誤解を解かなければならないこと。
それができなくて、誤解されたまま
絞首とか斬首とかされてしまった人も多いから、
それにくらべたら、俺なんかずいぶん運のいいほうか。
2024.4.7 sun. url #詩
駆け抜けたのではなくて、たしかに狂牛が、夢と記憶は、遠い街道を疾駆する狂牛が、似たようなものだから、夢と呼んでいるけど、あれはそれを、汗ぐっしょりの、誰かと二人で見た夢なのだから、誰かと二人で見たのだったか、遠い街道を、夢と記憶は、だけど、夢と記憶は遠い街道を疾駆する狂牛が、似たようなものだったか、遠い街道を、おれ一人の夢だったろうか、だけど、あれはそれを、隣に誰が寝ていたのではなくて、誰かと二人で見たのだったか、蹄の音を聞いたのは、あれは、夢と記憶は、誰かと二人で見たのではなかったろうか、似たようなものだったか、だけど、だったか、いつの夢だったか、たしかに狂牛が駆け抜けたのだったか、夢と呼んでいるけど、あれは。
2024.4.6 sat. url #詩
夏草の茂みから、首が伸びてきて
震える首の先で、馬の首が伸びてくる
首が伸びて震える首の先で、馬の頭だ
倒れそうだ、口が泡を吹いている
もがいている
周りは薄暗い
馬の頭だ
宙から吊るされて、もう動けない
倒れることもできない
吊るされて口を開けて垂れ下がっている
口が開いているのは
伸びて震える首の先で、馬の頭の口が開いている
首が泡を撫でて
馬の先で、口が開いていく
2024.4.5 fri. url #詩
アラバマに帰りたい
彼方の桟橋で、みんなが待っている、パパとママ、そしてリンダとサミーとジョナ坊
月の精ラヴィニアが草原で踊ってる
姉さんが警官になって、爆弾を投げつける
小麦の相場で借金を負い、姉さんは強盗をして殺された、明るい月夜に
だけど、アラバマに帰りたい
みんなの顔が見えてるわ
懐かしいバンジョーのシンコペーション
なんて言ってるの?
ねえ、なんて言ってるの?
みんなで歌っているのは何の歌?
2024.4.4 thu. url #詩
西亜を蹴り刻まれそうになる
床で身を真似る
切り刻まれ
西亜を出す
肉屋を出す
西亜を真似る、赤いビローテンのボトランのヒに、赤いて鳴る、赤いビを蹴り刻み、ナイシャンを抜いて、赤いビを吊られて鳴る
追うになる、切り刻まれ
バップで身を出し
切り倒す
追うになる
銅鑼のボトランで身を抜いビロックルーテンで料理がドニになる
肉屋を蹴り刻み、切り刻み、ナイシャンパンのヒヒに、ナイフリカーテンのボトランを蹴り回って鳴る、赤いビローテンに、切り回ってレストランを蹴り倒す
追うにクビを蹴り回って、ドランを抜いビローテンでむき身を蹴り倒す
バップで身を抜いビローが酒びたし
切り倒す
追われ
西亜を真似る、赤いビを蹴り倒す
バップで料理が酒びたし
肉屋を走り倒す
肉屋を蹴り回ってレストランパンパンのヒに、ナイフリカーテンを蹴り倒す
2024.4.3 wed. url #詩
肩にオウムを乗せて歩くのがはやった年
その年は一年が短くて
とくに短かったその夏のこと
一人前に肩にオウムを、片目に黒い眼帯をかけ、行李の上に座り込んで
死人の箱に――と歌っていると
ふいに、自分はもう宝島のジム少年ではなく
年ごろでいえば青年ではないか
名前も変わって、オスカー、誰だよ、そのオスカーって
どうするつもりだ、そんなやつ
ヨーホー、ヨーホー、死人の箱に十五人
歌が聞こえて、そういえば、片足のシルバー
このごろ姿を見ないと思ったら
地図を持ったまま逃げられて、あとに自分だけ
2024.4.2 tue. url #詩
ああ、船長、死人の箱だね、死人の箱に十二人
ければいいが」
から……」
どんな死も偶然とは見なされないし、いかなる死も殺人となる
死人の箱に十二人というやつ
それとも、インディアンが白人と戦う?
たがいにしらばくれて、話が通じてしまうのを恐れてる
ければいいが」
から……」
2024.4.1 mon. url #詩
あのな、おれ、陽成院の化物
じつは浦島の弟なんだが
素性のことは、まあ、いいか
このとおりやせ細って
骨と皮だけの爺ぃだから
すぐ人に虐められる、突き飛ばされる、殴られる
このあいだもよ
夜中に陽成院の池のまわりをふらついてたら
番人にみつかって、首根っこ掴まれて、吊るし上げられてよ
ごめんなさい、ごめんなさい
と、もちろん謝って
千二百年このかた、こちらの池に棲んでる者です
ごめんなさい、許してください、そのかわり
池のほとりに社を造ってあたしをお祀りしていただけたら
皆さんのこともきっと守ってあげますから
そう言ってやったんだが
番人のやつ、なんと答えたと思うかね
自分一人では計らえない、院におうかがいしなくては
けっ、下司根性なやつめが
社ひとつくらい自分で決められないのかよ
腹が立ったから
逆に番人をひっつかんで
宙に投げ上げ投げ上げ、くたくたに投げ上げて
落ちてくるところを
ぱっくり喰ってやりました
口はでかいよ、人を飲み込めるくらいにな
じつは浦島の弟なんだが
素性のことは、まあ、いいか