ポル・ポト
おれも社会のことを考えたりする
政治のことも考える
経済のことも考えたりする
ポル・ポトのこともときどき考える
ニッパヤシで葺いた屋根の下
木の枝で組んだベッドに横たわって
最後の裏切りを待つポル・ポトのことを
追い詰められた政治集団は
内部の裏切りを重ねて自壊するのだが
そんな政治哲学を
今さら語って何になるか
すべては虚妄だったのか
それともただの巡りあわせだったのか
黄疸で黄色く染まった身体をながめれば
もうおれが終わりだと
誰にもわかるはずなのに
それでも安心できない臆病者が
ベッドから半身を起こしたポル・ポトの前に
最後の飲み物となるソーダ水を置く
言い残すことなどない
わかっていて毒をあおぐのだと
そんなことも言いはしない
どこから来たか
水牛が一頭
小屋の外からこちらを見ている
政治のことも考える
経済のことも考えたりする
ポル・ポトのこともときどき考える
ニッパヤシで葺いた屋根の下
木の枝で組んだベッドに横たわって
最後の裏切りを待つポル・ポトのことを
追い詰められた政治集団は
内部の裏切りを重ねて自壊するのだが
そんな政治哲学を
今さら語って何になるか
すべては虚妄だったのか
それともただの巡りあわせだったのか
黄疸で黄色く染まった身体をながめれば
もうおれが終わりだと
誰にもわかるはずなのに
それでも安心できない臆病者が
ベッドから半身を起こしたポル・ポトの前に
最後の飲み物となるソーダ水を置く
言い残すことなどない
わかっていて毒をあおぐのだと
そんなことも言いはしない
どこから来たか
水牛が一頭
小屋の外からこちらを見ている