匿名の木
三代か四代前の
先祖が捨てた利根川の岸に
なんじゃもんじゃの木がある
見る人が見れば
何目何科の何の木と
すぐにも決まるのだろうが
見る人は、いまだに現れないらしく
このあいだ行ったら
かつて洪水にやられた地は
いつのまにか住宅街に変わり
家々にかこまれた一角に
その木はあって
幹に打ち付けた木片の
文字は薄れていても
「なんじゃもんじゃの木」と読めたから
今もなんじゃもんじゃ
先祖が捨てた利根川の岸に
なんじゃもんじゃの木がある
見る人が見れば
何目何科の何の木と
すぐにも決まるのだろうが
見る人は、いまだに現れないらしく
このあいだ行ったら
かつて洪水にやられた地は
いつのまにか住宅街に変わり
家々にかこまれた一角に
その木はあって
幹に打ち付けた木片の
文字は薄れていても
「なんじゃもんじゃの木」と読めたから
今もなんじゃもんじゃ