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2013-01-07
図にすると別のものが見えてくる――ブレーメンの音楽隊の場合
DOT 言語で家系図が表現できるのは見たが、ほかにも時代の流れ(年表)とか物語の展開とか、時間軸に沿って並べたいデータはある。
ためしに DOT の練習を兼ねて「ブレーメンの音楽隊」を図化してみた。見落としていたものが見えておもしろかった。

ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリは、それぞれ餌をもらえなくなったとか、あした料理されてしまうとかの理由で飼い主の家から逃げ出し、音楽隊に入ろう(そうすれば食えるし、楽しいし)と考えてブレーメンを目指す。
ところが途中の森で泥棒たちの家をみつけ、泥棒があたたかいところで美味そうなものを食べているのを見て、泥棒たちをおどして家を乗っ取り、その家で安楽に暮らしました、めでたし、めでたし。というのがグリム童話の「ブレーメンの音楽隊」だが、出来事を時間順に並べることで時間とは別のものが浮かんできた。
ロバたちはそれぞれに飼い主から圧迫を受け、その恐怖から逃れて生き延びるためにブレーメンを目指すが、途中でそのベクトルが変わって泥棒の家に向かう。これはまたエネルギーの向かった方向でもある。図の赤い線で示したように、飼い主からもらった恐怖のエネルギーが、はじめはブレーメンへ、そして話の終わりには泥棒たちへの脅し向かうのである。

現実の人間界でもよくあるパターンの出来事だが、それは置くとして、時間軸を目立たせるつもりでしたことが、別のファクターを浮かび上がらせたのが面白い。何か問題を整理したいときは、図にしてみるものである。