抒情と悪天候
「にわか雨はたくさんのアヴァンチュールを誕生させた。」雨の魔術的な力の低下。雨合羽。
- ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』第1巻 P.230ボードレールが抒情的表現の素材として初めて切り開いた対象の中でも、一つのものがきわだっていると言えるだろう。すなわち悪天候である。
- 同 P.252風雨をしのぐ手段が発達すると抒情の材料が一つ減る。アーケードや地下道のおかげで雨に濡れることが少なくなったり、ファッションに気を使いすぎて傘が必携品になったり。
少しの不幸が抒情や歌謡を生む。不幸すぎては不可。
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