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2015-07-08
七夕
あいかわらず北関東の病院にいる。

  誰かに逢いにゆくあてもなく
  逢いに来られる恐れもない
  笹の葉さらさら

きのうは七夕だったが、一日雨。
ノートに詩を書きかけて、「逢いに」より「会いに」のほうがいい、「逢」では文学っぽすぎる。とはいっても全体が文学っぽいんだから「逢」でもいいか。そんなことを考えながらうとうとしかけた。
枕もとに看護婦が立っていた。
開いたままのノートを見られたようだった。
「はい、夕刊」
と新聞をわたしてくれた。
「きょうから気象衛星が新しくなったそうですよ」
夕刊の一面にその衛星が送ってきたという写真が載っていた。
日本列島は雲におおわれていたが、それより太平洋上の台風に目が行った。
横一列に三つ並んだ台風は、どれも大型で力強そうだった。

夜はいつものようにラジオを聴いている。
真空管のラジオがほしいと思う。
カバーがなくて真空管がむき出しになってるやつ。

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