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2015-10-15
フルヘツヘンド
「これがフルヘツヘンドだ」と寒山がいう。
「寺男の心得だな」と拾得。
ほうきで庭を掃く。
ごみを一箇所にあつめる。
それをちり取りで取る。
けれども、取り切ってはいけない。
少しだけ残しておく。
そうすることによって、掃除をした感じがあたりに漂う。
ごみを拾い切ってしまうと、掃除が行われた痕跡までなくなってしまう。
ごみやちりを少しだけ残しておくと、清浄感が演出できる。
それがフルヘツヘンドだ。
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小説
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