竹ノ子紀
あちこちで竹ノ子が巨大化している。
成長しても竹にはならず、竹ノ子のまま巨大化。
広瀬川では太りすぎた竹ノ子が流れをせき止め、水が住宅街にあふれ出している。
ということは、ここは前橋か。
そう思って見ていると知った顔の人物がいる。
やはり前橋だった。重装備──潜水服らしい──の萩原朔太郎が「こんな時代には自分の詩も太く書きなおさなくてはいけない」とヘルメットの向こうで考えている。でも、どう直したらいいか。
自分はだめだ、発想がまともすぎる。そんなこともつぶやく。
他人の評価と自己評価はいつも食い違う。萩原朔太郎がそんなまともな人物だったとは思えない。現に潜水服である。
そのあいだにも竹ノ子の領分は広がって、時代が竹ノ子紀に入りつつある。
成長しても竹にはならず、竹ノ子のまま巨大化。
広瀬川では太りすぎた竹ノ子が流れをせき止め、水が住宅街にあふれ出している。
ということは、ここは前橋か。
そう思って見ていると知った顔の人物がいる。
やはり前橋だった。重装備──潜水服らしい──の萩原朔太郎が「こんな時代には自分の詩も太く書きなおさなくてはいけない」とヘルメットの向こうで考えている。でも、どう直したらいいか。
自分はだめだ、発想がまともすぎる。そんなこともつぶやく。
他人の評価と自己評価はいつも食い違う。萩原朔太郎がそんなまともな人物だったとは思えない。現に潜水服である。
そのあいだにも竹ノ子の領分は広がって、時代が竹ノ子紀に入りつつある。