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2015-12-11
誕生日
芝居の舞台みたいな部屋にいる。
実際に舞台なのかもしれない。小さなライブスポットのようなものか。見回すと部屋の一隅に折りたたみ椅子が積み重ねてある。これが座席なのだろう。
背後の壁に夜景が描かれている。黒い森があり、青黒い空に豆電球で星座があしらってある。
天井に穴が開いていて、黄色い光が差し込んでいる。月と月光のつもりだろうか。銀紙でも切り抜いて壁に貼っておけば済むのに、考え過ぎな工夫ではないか。

壁際に立ててある脚立を引いてきて、穴の真下に据える。脚立を登って天井裏に頭を出す。
周囲から手が伸びてきて、天井裏に引き上げられる。
「お誕生日おめでとう」
と劇団員から声がかかる。クラッカーがひとつポンと鳴らされる。
そうか、自分はこの劇団の裏方だったか。それに今日が誕生日だったのだ。
それと同時に、これまでのこと(10年分。すごくつまらない)とこれからのこと(10年分)を思い出す。
まだ起きてないこれからのことがなぜ思い出せるのか不思議がっていると、
「これまでのことが、そっくりそのまま繰り返されるからだ」
と誰かが教えてくれる。

天井裏の天井にも丸い穴が開いている。
その先の10年分が思い出せる仕掛けになってるらしい。