それは恋
ちょっと寒くて
こころぼそくて
雨のしとしと降る晩に
恋は曲者
忍び寄る
そうなのよ
忍び寄ったのは私だって
みんながいうけど
忍び寄ったのは私じゃない
忍び寄ったのは
それは
恋
こぬか雨降る春の夜に
陰火を一つ、二つ、三つ
私が連れていたって
ひとはいうけど
私は連れてなんかいなかった
連れられていたのが
私
恋の陰火に連れられて
やさしい雨の降る道を
傘をくるくる急ぎ足
いいえ
私は
急いでなんかいなかった
傘も回していなかった
急いでいたのは
はしゃいでいたのは
それは
恋
私ではありません
そぼ降る夜道をひっそりと
片手に傘
ふるえる胸を
片手できつく抱きしめて
たどっていたのは
私
ええ、私です
でも、それは
いとしいお方と逢えるのかとか
嫌われてるとか愛されてるとか
そんなことではなかったわ
私がふるえていたのは
ただ寒かったから
恋のせいではありません
恋にふるえていたのは
雨の夜の
ちろちろ燃える
陰火だけ
それは
私ではありません
こころぼそくて
雨のしとしと降る晩に
恋は曲者
忍び寄る
そうなのよ
忍び寄ったのは私だって
みんながいうけど
忍び寄ったのは私じゃない
忍び寄ったのは
それは
恋
こぬか雨降る春の夜に
陰火を一つ、二つ、三つ
私が連れていたって
ひとはいうけど
私は連れてなんかいなかった
連れられていたのが
私
恋の陰火に連れられて
やさしい雨の降る道を
傘をくるくる急ぎ足
いいえ
私は
急いでなんかいなかった
傘も回していなかった
急いでいたのは
はしゃいでいたのは
それは
恋
私ではありません
そぼ降る夜道をひっそりと
片手に傘
ふるえる胸を
片手できつく抱きしめて
たどっていたのは
私
ええ、私です
でも、それは
いとしいお方と逢えるのかとか
嫌われてるとか愛されてるとか
そんなことではなかったわ
私がふるえていたのは
ただ寒かったから
恋のせいではありません
恋にふるえていたのは
雨の夜の
ちろちろ燃える
陰火だけ
それは
私ではありません