医者が「あ、あー!」と
四月の中頃、風邪をひいたようで医者に行った。
熱が九度を超えていた。
喉をのぞいた医者が、
「あ、あー!」
と声を出した。驚いたような声だった。
なぜ驚いたのか説明はなかった。
あとになって考えてみたが、
医者は驚いたのかもしれないし、驚かなかったのかもしれない。
驚いたとしても、
「ああ、驚いた。やっぱり風邪だ」
その程度のことだったか。
五年ぶりくらいでかかったその内科医は
以前より少しやせて、
白髪の目立つ頭になっていた。
熱が九度を超えていた。
喉をのぞいた医者が、
「あ、あー!」
と声を出した。驚いたような声だった。
なぜ驚いたのか説明はなかった。
あとになって考えてみたが、
医者は驚いたのかもしれないし、驚かなかったのかもしれない。
驚いたとしても、
「ああ、驚いた。やっぱり風邪だ」
その程度のことだったか。
五年ぶりくらいでかかったその内科医は
以前より少しやせて、
白髪の目立つ頭になっていた。