to top page
2017-09-11
老魚のぬしかも知れない池に(楽譜)
  ろう、ぎょの、ぬし、かも、しれ、ない、いけに
   ろう、ぎょの、ぬし、かも、しれ、ない、いけに

台詞 真っ黒な魚を見おろした
   人の見て来たそれとちがって
   凝滞の中に棲む老魚の溌刺さをのみ
   見せてくれるに十分だった
  その日その姿を
   呪って私は思い惑った

  老魚のぬしかも知れない池に
   老魚のぬしかも知れない池に

台詞 暗い天地に、ぱっと明るく
   急に入って、そこらに落ちかかってきた私
   世間から大きな鯉を押し分けて
  針を呪ってきた老魚

  老魚のぬしかも知れない池に
   老魚のぬしかも知れない池に

台詞 蒼黒く斑点が、不気味に出たいと
   魚たちを押し分け、泳ぎまわり
   たえず身もだえして
  老魚のぬしかも知れない池に
   その日その姿を
   人混じりして浮いていた