星座とは、互いに時間も空間も相異なるところに存在する星が、意想外のしかたで結びつくところに成立するもの
ベンヤミンの用語コンステラツィオン(Konstellation)は、普通に訳せば、「星座」、「配置」、「状況」など。とくにベンヤミンの意図らしきところを写そうとするなら、「星座的配置」など。
訳語のことはそれでいいとして、ベンヤミンがこの語に何を担わせたのか理解しかねていたのだが、次の説明がよさそう。
引用は鹿島徹編・評注『[新訳・評注]歴史の概念について』(2915年、未来社)から。書名からわかるとおり、ベンヤミン『歴史の概念について』(通称「歴史哲学テーゼ」)の訳注書で、訳書としては最後発か。注釈書としては、ベンヤミン自身による異稿をはじめ多岐にわたる異版を参照して字句レベルの批判を重ねた詳細なもの。
「互いに時間も空間も相異なるところに存在する星が、意想外のしかたで結びつくところに成立するもの」とあるのが眼目。とくに「時間も空間も相異なるところ」として、ベンヤミンが示そうとしたかと思われるものを立体化している。
オリオン座がじつは狩人オリオンの形を表していないこと、一般化すれば、それぞれの星座を構成する星々はその星座平面上でこそ正しい位置に置かれているように見えても、実際は何光年もあるいは何百光年もずれた場所に位置しているといったことを、「天球の外側のこと」と題して前に書いた。その時点では、ベンヤミンの星座 のことは意識していなかったのだが、今後はその説明に使える。
訳語のことはそれでいいとして、ベンヤミンがこの語に何を担わせたのか理解しかねていたのだが、次の説明がよさそう。
「過ぎ去ったものを史的探求によってこれとはっきり捉えるとは、同じひとつの瞬間において星座的布置(Konstellation)をなして出会うものを、過去のうちに認識することだ」というのが、ベンヤミンのスタンスである。星座とはいうまでもなく、互いに時間も空間も相異なるところに存在する星が、意想外のしかたで結びつくところに成立するものである。史的探求の現在と特定の過去とは、危機の瞬間において、この意味での星座的布置 をなして出会うのだ。
引用は鹿島徹編・評注『[新訳・評注]歴史の概念について』(2915年、未来社)から。書名からわかるとおり、ベンヤミン『歴史の概念について』(通称「歴史哲学テーゼ」)の訳注書で、訳書としては最後発か。注釈書としては、ベンヤミン自身による異稿をはじめ多岐にわたる異版を参照して字句レベルの批判を重ねた詳細なもの。
「互いに時間も空間も相異なるところに存在する星が、意想外のしかたで結びつくところに成立するもの」とあるのが眼目。とくに「時間も空間も相異なるところ」として、ベンヤミンが示そうとしたかと思われるものを立体化している。
オリオン座がじつは狩人オリオンの形を表していないこと、一般化すれば、それぞれの星座を構成する星々はその星座平面上でこそ正しい位置に置かれているように見えても、実際は何光年もあるいは何百光年もずれた場所に位置しているといったことを、「天球の外側のこと」と題して前に書いた。その時点では、ベンヤミンの