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2019-12-05
マルクスのアニミズム
マルクスも先に見たエンゲルスと同じことをやっている。
エンゲルスが『自然の弁証法』に着手したとされる時期、マルクスが『資本論』第2版(1873年)の後記で言うには、

私の弁証法的方法は、根本的にヘーゲルのものとは違っているだけではなく、それとは正反対なものである。ヘーゲルにとっては、彼が理念という名のもとに一つの独立な主体にさえ転化している思考過程が、現実的な創造者なのであって、現実的なものはただその外的現象をなしているだけなのである。私にあっては、これとは反対に、観念的なものは、人間の頭の中で置きかえられ翻訳された物質的なものにのかならないのである。

事物に人格を見ること、これをアニミズムという。
マルクスの用語で言えばフェティッシ(fetisch)だが、自身の思想にもこの形容が適用できることにマルクスは気づいていない。
引用は大月書店版『資本論』第1巻第1分冊(1968年)から。