真理とは一種の誤謬であること
ニーチェが言っている。
木田元による解釈。
ニーチェにもどって、いわく。
引用はすべて木田元『マッハとニーチェ――世紀転換期思想史』から。
〈これこれのものはこうであると私は信じる〉という価値評価が〈心理〉の本質にほかならない。……それゆえ、なにものかが真であると思い込まれねばならないということは必要であるが、これはなにものかが真に存在するということではない。
木田元による解釈。
なにものかが真であると思いこむこと、つまりなにものかがあたかも永遠に変わることなく止まっているかのように思いこむことは、生が現状を確保し、そこにおのれを安定させるために必要なことであるが、それを本当に「真に存在する」などと思ったりしてはならない、ということであろう。
ニーチェにもどって、いわく。
真理とは、それがなくてはある種の生物が生きていけないような、一種の誤謬である。
引用はすべて木田元『マッハとニーチェ――世紀転換期思想史』から。