魔術師はやましい心の持ち主であって…
ジル・ドゥルーズ「ニーチェ的世界の主要登場人物辞典」のうち「魔術師」の項。湯浅博雄訳『ニーチェ』から。
「疚しさ」はニーチェ『道徳の系譜』の主要テーマ。
「魔術師」については、『ツァラトゥストラ』第4部に長めのセクション「魔術師」がある。
魔術師――疚しい心の持ち主であって、神の御世においても、神の死の後においても、自分自身を責め立てる。疚しい心は本質的に、演技する役者であり、露出狂である。疚しい心はあらゆる役割を、無神論者のそれも、詩人のそれも、アリアドネのそれさえも演じる。しかしつねに変わらず偽り、不平を言う。「私が悪い、私のせいだ」と語りながら、疚しい心は憐れみを呼び起こそうと望み、強者たる人々においてさえも罪責感を吹き込む。そして生命あるあらゆるものに恥をかかせ、自分の毒を伝染させるのである。「おまえの嘆きは、おびき寄せて罠にかける鳥笛の音色を含んでいる!」
「疚しさ」はニーチェ『道徳の系譜』の主要テーマ。
「魔術師」については、『ツァラトゥストラ』第4部に長めのセクション「魔術師」がある。