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2019-10-12
人間にとってアニミズムは不可避か
マルクス=エンゲルスの唯物弁証法がアニミズムであること。
それ以前のヘーゲルの弁証法もアニミズムであること。
同じ思考法はおそらくホモ・サピエンス以前にさかのぼれること。

これらのことは、ジャック・モノーの『偶然と必然』を援用して書いた。
- 唯物弁証法の起源はホモ・サピエンスの出現以前にさかのぼること
- 弁証法批判の到達点

近代哲学のビッグネームが、何ゆえそろってアニミズムなのか。
かりにヘーゲルはやむを得なかったとしても、唯物論を称したマルクス、エンゲルスがなぜ同じ罠にはまったか。

次のように考えるべきか。

ひとりの人間にとって世界を理解するとは、世界を人間的なものに還元すること、世界に人間の印を刻みつけることだ。猫の宇宙は蟻食いの宇宙ではない。「いかなる思考もすべて人間の形態をしている」という自明の理には、それ以外の意味はない。 ――アルベール・カミュ「不条理な論証」(清水徹訳『シーシュポスの神話』)

カミュの言うとおりなら、人間にとってアニミズムは不可避。
あるいはアニミズムは人間以前からのものか。
哺乳類、鳥類、爬虫類、タコ、その他。彼らも、事物のメカニズムと自己のメカニズムを同類視したり、事物に自己と同じ魂が宿るかのように思いこんだりしているのではないか。